专利摘要:
整形外科部品がインプラントされる骨の弾性率により明確に近付けるために、既知の整形外科部品の弾性率より実質的に低い全体的な弾性率を提供するように選択された多層を有する整形外科部品。典型的な一実施形態では、本整形外科部品は寛骨臼シェルである。例えば、寛骨臼シェルは、患者の元の臼蓋窩に固定するように構成された外層、及び寛骨臼ライナーを受け入れるように構成された内層を含んでよい。元の股関節の機能を再現するために、大腿骨人工装具の頭部は、寛骨臼ライナーと接合する。また、寛骨臼シェルの内層は、大腿骨人工装具の頭部が接合する統合寛骨臼ライナーとして機能してよい。
公开号:JP2011510748A
申请号:JP2010545156
申请日:2009-01-29
公开日:2011-04-07
发明作者:キスリング,ロビー;エル. ケース,カート;エル. シュレンマー,ランディー;ダブリュ. ニューサム,アーチー;エム. パンチソン,クラレンス;ビバンコ,フアン;ファン,チビン;エル. プレッチャー,ダーク;オー. ポプーラ,オルデレ;アール. ミムナウ,ブリオン;ルフナー,アリシア
申请人:ジンマー,インコーポレイティド;
IPC主号:A61F2-34
专利说明:

[0001] 関連出願に対する相互参照
本願は、2008年11月13日に出願された名称「ORTHOPEDICCOMPONENTOF LOW STIFFNESS」の米国仮出願第61/104,870号、2008年3月20日に出願された名称「ORTHOPEDIC COMPONENT OF LOW STIFFNESS」の米国仮出願第61/038,281号、2008年1月30日に出願された名称「ACETABULAR COMPONENT」の米国仮出願第61/024,737号、及び2008年1月30日に出願された名称「ACETABULAR COMPONENT」の米国仮出願第61/024,778号(これらの全開示内容は、参照により明確に本明細書に援用される。)の米国特許法119(e)に基づく利益を請求する。]
[0002] 1.本発明の分野
本発明は、整形外科用品、及び特に整形外科用インプラントに関する。]
背景技術

[0003] 2.関連技術の説明
完全股関節形成術などの整形外科手術中に、整形外科用人工装具が、患者の身体中に埋め込まれる。例えば、大腿骨ステムは、患者の大腿の骨髄内管中に埋め込まれることができる。ステムが好ましい深さ及び方向で骨髄内管中に挿入された後に、大腿骨頭は、ステムの近位端に取り付けられることができる。大腿骨頭は、寛骨臼人工装具の実質的に半球形のソケットに適合して、大腿骨頭と寛骨臼人工装具の咬合のために面を提供する。]
[0004] ある実施形態では、寛骨臼人工装具は、2つの個別の部品、寛骨臼の裏当て部品及び寛骨臼の関節部品(これらは、それぞれ、シェル及びライナーと呼ばれることが多い。)を含む。裏当て部品は、一般に半球形であり、そして患者の臼蓋窩中に貼着されて組み込まれる。同様に、ライナーは、裏当て部品の内部空洞と結合するように構成された半球形を有する。さらに、ライナーは、大腿骨頭と結合するソケットを含む。寛骨臼の裏当て部品は、典型的には、固体金属(チタン又はチタン合金など)の形状をしているか、又はステンレス鋼から形成される。一方で、寛骨臼の関節部品類は、超高分子量ポリエチレンポリマー材料(「UHMWPE」)から形成されてよい。これらの種類の寛骨臼カップは、本技術分野では、そして場合により本明細書では、「金属裏張」部品と呼ばれることが多い。]
[0005] 一般に、金属裏張整形外科部品は、通常の結合咬合中に接触応力を受ける。例えば、従来の金属裏張寛骨臼部品では、以前の研究によって、ポリマー厚及び大腿骨頭とポリエチレンライナーの適合性は、受ける接触応力の程度において重要な役割を果たすことが分かっていた。非常に適合している寛骨臼部品設計のために、ポリマー厚が小さいときに、ポリマーライナー中の接触応力は、ポリマー厚に非常に敏感である。具体的には、ポリマー厚が4〜6mm未満であるとき、厚さが減少するために、一般に接触応力は急速に増加することが証明されている。したがって、接触応力を小さくするために、4〜6mmの最小ポリマー厚が、金属裏張寛骨臼部品のために維持されている。さらに、寛骨臼部品中のポリエチレンライナーが4mmの最小厚を有することは、工業設計上の役割として広く受け入れられており、そして伝統的に、寛骨臼部品の製造において信頼されている。]
発明が解決しようとする課題

[0006] 応力遮蔽は、金属裏張整形外科部品とともに潜在的に発生し、かつ通常は患者の骨に影響する応力の一部が、整形外科部品(例えば、寛骨臼カップなど)により代わりに伝播されるときに発生することがある現象である。結果として、骨は、退化及び脱灰を受け始めて、より弱い骨構造になるであろう。厳しい応力遮蔽では、骨は身体に再吸収され、骨折部位で骨残量が減少するであろう。]
課題を解決するための手段

[0007] 概要
本発明、典型的な一実施形態では、整形外科部品がインプラントされる骨の弾性により厳密に近づけるために、既知の整形外科部品の弾性よりも実質的に低い全体的な弾性を提供するために選択される多層を有する整形外科部品を提供する。典型的な一実施形態では、整形外科部品は、寛骨臼シェルである。例えば、寛骨臼シェルは、患者の元の臼蓋窩へ固定するために構成された外層、及び寛骨臼ライナーを受け入れるように構成された内層を含んでよい。元の股関節の機能を再現するために、大腿骨人工装具の頭部は、寛骨臼ライナーと関節接合する。また、寛骨臼シェルの内層は、大腿骨人工装具の頭部が関節接合する一体の寛骨臼ライナーとして機能してよい。]
[0008] 典型的な一実施形態では、寛骨臼シェルの外層は、金属から形成されており、そして内層は、生体適合性ポリマーから形成されている。例えば、外層は、多孔質金属から形成されており、そして内層は、ポリアリールエーテルケトン(「PAEK」)(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)など)から、又はUHMWPE(例えば、酸化防止安定化UHMWPEなど)から形成されている。本発明によって寛骨臼シェルを形成するために、外層は、従来技術を用いてカップ状体として形成される。形成されるとすぐに、生体適合性ポリマー(例えば、PEEK又はUHMWPEなど)は、内層を形成するために外層に固定されて、実質的に完成した寛骨臼シェルになる。典型的な実施形態では、ポリマーは、射出又は圧縮成形によって外層に取り付けられる。典型的な一実施形態では、整形外科部品は、外内層の取り付け後に、例えば、射出又は圧縮成形の後に完成しており、インプラント前のさらなる加工又は改良を必要としない。別の典型的な実施形態では、好ましい最終の形態、寸法、及び/又は性質を提供するために、整形外科部品は、外内層の取り付け後にさらに加工されてよい。]
[0009] 整形外科用インプラントを形成する多孔質材料に生体適合性ポリマーを取り付けることは、ポリマーが材料の孔内に受け入れられることを可能にする。整形外科部品を形成するために、ポリマーが硬化するとき、2つの材料の相互作用は、多孔質層とポリマー層の間の固い接続を提供する。さらに、生体適合性ポリマーが、例えば、多孔質材料、係止の形態(対応する止め環を受け入れるように構成されている溝など)へと圧縮又は射出成形されるとき、例えば、ポリマー中及び/又はポリマー上に一体形成されることができる。係止形態を整形外科部品中又は整形外科部品上に一体化形成することにより、整形外科部品を完成させるのに必要な加工工程は減らされるか、及び/又は全体的に排除されることができる。]
[0010] 有利には、本発明の実施形態による整形外科用部品を製造することにより、整形外科部品は、他の整形外科部品の剛性より低い剛性を有する。結果として、本発明は、元の骨部分における応力遮蔽の効果を小さくして、骨溶解及び骨吸収の可能性を減らす。]
[0011] さらに、本発明は、最も有利な場所で整形外科部品中に、骨ネジを受け入れる開口部をドリルで開ける能力を外科医に提供する。したがって、寛骨臼シェルをインプラントするとき、例えば、外科医は、最大骨量を有する臼蓋窩の領域を特定して、次にこの骨量を利用するように配列される寛骨臼シェルを通して開口部を切ってよい。結果として、元の骨量により整形外科部品の最適な保持を容易にするために、各整形外科部品は、個別の患者に特別に適合されることができる。さらに、外科医に骨ネジを受け入れる開口部の場所を最適化させることは、様々な骨ネジを受け入れる開口部構造を有する整形外科部品を製造及び保管する必要をなくすことにより全加工費を減少させる。さらに、本発明の製造方法は、別の整形外科部品及び/又は元の骨部分が関節接合するであろう整形外科部品のポリマー上に平滑面を形成するために使用されることができる。ポリマー上に平滑面を形成することにより、磨耗片の発生を減らしてよい。]
[0012] さらに、酸化防止安定化ポリマー(例えば、ビタミンEを混合されたUHMWPEなど)を利用することにより、ポリマー層の全体的な厚さを減らしてよい。したがって、ポリマー層は、例えば、接触応力の不合格水準を検証することのない4mm未満の厚さを有してよい。これが、材料及び製造コストを減らす。さらに、酸化防止安定化ポリマーを利用することにより、ポリマーの長期間酸化を減らして、整形外科部品の耐用年数を増加させるであろう。]
[0013] その一形態では、本発明は、第一の多孔質材料から形成された実質的に半球形の外層;及びポリアリールエーテルケトンから形成された実質的に半球形の内層を含む整形外科用品であって、ポリアリールエーテルケトンの少なくとも一部が第一の多孔質材料の孔と相互咬合し、ポリアリールエーテルケトンは第一の多孔質材料の孔に少なくとも部分的に浸透していて、第一の多孔質材料及びポリアリールエーテルケトンが協働して0.1GPa〜15GPaの有効剛性を有する寛骨臼シェルを規定している整形外科用品を提供する。]
[0014] その別の形態では、本発明は、股関節置換術に使うために構成された寛骨臼部品であって、寛骨臼部品がインプラントされるときに骨組織と接触して適合するように構成された多孔質層;酸化防止安定化された架橋超高分子量ポリエチレンから形成されており、かつ6mm未満の厚さを有する内層であって、大腿骨部品を受け入れるように構成された内層;及び内層の酸化防止安定化された架橋超高分子量ポリエチレンが多孔質層の孔に侵入(浸透)する距離によって規定された相互咬合層を含む寛骨臼部品を提供する。]
[0015] そのさらに別の形態では、本発明は、骨中へのインプラントのための整形外科部品の製造方法であって、整形外科用インプラントは骨接触層、相互咬合層、及び内層を有しており、骨の弾性率を決定する工程;骨の弾性率に基づいて、骨接触層、相互咬合層、及び内層の少なくとも1つの厚さを選択する工程;並びに内層を骨接触層に合わせて、選択した厚さを有する骨接触層、相互咬合層、及び内層の少なくとも1つを形成する工程を含む方法を提供する。]
[0016] 添付図面に関する本発明の実施形態の次の説明を参照することにより、本発明の上述の及び他の性質及び利点、並びにそれらを実現する手段がより明確になり、そして本発明自体がより詳細に理解されるであろう。]
図面の簡単な説明

[0017] 本発明の典型的な実施形態によって形成された寛骨臼シェルとして表される典型的な整形外科用インプラントの断面図である。
図2Aは、図1のインプラントの一部の断片的断面図であり、図2Bは、図2Aのインプラントの一部の拡大略図である。
代替的な寛骨臼ライナーを表している図1の寛骨臼シェルの集合図である。
接触応力とポリマー材料の厚さの関係を示すグラフ図である。
異なるポリマー材料の応力/歪み性を示すグラフ図である。
典型的な有限要素モデルを示す図である。
多孔質金属の応力/歪み性を示す図である。
従来のUHMWPE及び酸化防止安定化UHMWPEの両方の応力/歪み性を示す図である。
非拘束圧縮負荷条件を示す図である。
構造体の剛性における多孔度の影響を示すグラフ図である。
構造体の剛性におけるポリマー厚の影響を示すグラフ図である。
様々なポリマー厚の応力/歪み性を示すグラフ図である。
ポリマーと多孔質層の間の相互咬合層の異なる厚さごとの応力/歪み性を示すグラフ図である。
様々な材料の剛性を示すグラフ図である。
0.50質量%のα−トコフェロールアセテートを混合されたUHMWPEの酸化率を示すグラフ図である。
照射を受けた一体構造部品のtrans−ビニレン率を示すグラフ図である。
UHMWPE層の典型的な厚さの測定値を示す寛骨臼カップ構造の断片的断面図である。] 図1 図2A 図2B
[0018] 対応する参照符号は、幾つかの図面を通して対応部分を示す。本明細書で説明される例示は、本発明の好ましい実施形態を示しており、そのような例示は、本発明の範囲をいずれかの態様に制限するものではない。]
[0019] 詳細な説明
図1に示すように、整形外科部品は、寛骨臼シェル10として表される。寛骨臼シェルに対する特定の符号によって本明細書では説明及び描写されているが、本発明の整形外科部品は、肩人工装具系に使用されるための関節部品などの任意の整形外科部品でよい。寛骨臼シェル10は、実質的に半球形を有し、かつ第一の外側の骨に接触する層12、並びに対応する大腿骨整形外科部品及び/又は元の大腿骨頭が接合する第二の内層14を含む。典型的な一実施形態では、第二の内層14は、追加の寛骨臼ライナー(図3)が位置してよい面を提供する。さらに、寛骨臼人工装具10は、当技術分野で知られているような任意の適切な形状(例えば、半球形など)を有してよく、かつ一般に、前述の通り、本発明の譲受人に譲渡された名称「FEMORALHEAD ASSEMBLY WITH VARIABLE OFFSET」の米国特許第7,306,629号明細書(その全開示内容が参照により全体で本明細書に明確に援用される)に開示されている大腿骨頭集成体などの大腿骨頭集成体と結合するように構成されている。同様に、人工装具10は、本発明の譲受人に譲渡された名称「ACETABULAR CUP」の米国特許第5,879,398号明細書(その全開示内容が参照により全体で本明細書に明確に援用される)に開示されているものと類似する形状を有してよい。] 図1 図3
[0020] 典型的な一実施形態では、寛骨臼シェル10は、他の既知の寛骨臼シェルの剛性未満である剛性を有する。具体的に、寛骨臼シェル10は、実質的には既知の寛骨臼シェルの有効剛性未満である有効剛性を有する。本明細書で使用されるときには、逆の表示又は異なる用語の使用がない限り、「有効剛性」とは、実施例で説明される実験手順による整形外科部品の全体構造の全体的な剛性又は弾性率をいう。本発明によって形成された寛骨臼シェルのより低い有効剛性の結果として、元の臼蓋窩における応力遮蔽の影響が小さくなる。前述の通り、応力遮蔽とは、インプラントされた整形外科部品の硬さが、普通は骨部分が関節の装填中などに受ける元の骨部分への力の移動を制限する現象である。結果として、骨溶解が関節で発生し、骨再吸収が起こり、インプラントされた整形外科部品の周囲の骨部分を弱体化させるであろう。したがって、寛骨臼シェル10のより低い有効剛性のために、寛骨臼シェル10は、より大量の関節荷重力が元の骨部分に移動されることを可能にする。]
[0021] 典型的な一実施形態では、骨接触層12が、多孔質材料(例えば、多孔質金属など)から形成される。典型的な一実施形態では、骨接触層12は、ジマー(Zimmer)社(インディアナ州Warsaw)から入手できる「Trabecular Metal(商標)」技術を用いて形成される。「Trabecular Metal(商標)」は、ジマー・テクノロジー(Zimmer Technology)社の商標である。そのような材料は、1994年2月1日に発行された名称「OPEN CELLTANTALUM STRUCTURE S FOR CANCELLOUS BONEIMPLANTS AND CELL AND TISSUE RECEPTORS」の米国特許第5,282,861号明細書、及びLevine, B.Rらの「Experimental and Clinical Performance of Porous Tantalum in Orthopedic Surgery」、Biomaterials 27号(2006年)第4671−4681頁(これらの全開示内容は、参照により全体で本明細書に明確に援用される)に詳細に開示されている態様の化学気相成長(「CVD」)プロセスにより、生体適合性金属(例えば、タンタルなど)に侵入され、かつ生体適合性金属をコーティングされた網状ガラス質炭素発泡基材から形成されることができる。また、タンタルに加えて、他の金属(例えば、ニオブ)、又はタンタル及びニオブとお互い若しくは他の金属との合金が使用されることができる。]
[0022] 一般に、図2A及び2Bについては、骨接触層12の多孔質タンタル構造は、一般に、例えば、金属(例えば、タンタルなど)の薄膜によって覆われている炭素芯を含む各靭帯16によって空間(例えば、それらの間の空隙又はチャネルなど)を規定している多数の靭帯16を含む。靭帯16間の空間は、終端のない連続チャネルのマトリクスを形成するので、多孔質タンタル構造を介した網目状骨の成長が阻害されない。多孔質タンタルは、その間に75%〜85%以上の空間を含んでよい。したがって、多孔質タンタルは、実質的に均質であり、相対的に一貫していて、かつ元の網目状骨の構造とよく似ている軽量で強い多孔質構造であるので、網目状骨が骨盤の周囲骨内に寛骨臼シェル10を固定するようになるであろうマトリクスを提供する。] 図2A
[0023] 多孔質タンタル構造は、特定の用途のための構造を選択的に調整するために、様々な密度で形成されることができる。具体的には、上述の米国特許第5,282,861号明細書に記述されているように、多孔質タンタルは、実質的に任意の好ましい多孔度及び孔径へと加工されることができるので、成長中及び石化中の骨に向上したマトリクスを提供するために、周囲の元の骨と適合されることができる。]
[0024] Trabecular METAL(商標)技術から形成されているように本明細書では記述されているが、第一の骨接触層12は、任意の生体適合性金属(例えば、Ti−6A1−4Vなど)、又は多孔質材料(例えば、繊維金属など)から形成されることができる。さらに、別の典型的な実施形態では、非多孔質金属(例えば、チタンなど)は、骨接触層12を形成するために使用され、そしてその内面は、多孔質面を組み込むように形成されることができる。多孔質面は、内層14が骨接触層12の孔内に受け入れられることを可能にする。]
[0025] 前述の通り、内層14は、生体適合性ポリマーから形成されることができる。典型的な一実施形態では、内層14は、PAEK(PEEKなど)から形成される。別の典型的な実施形態では、内層14は、UHMWPEから形成される。他の典型的な実施形態では、生体適合性ポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリレート、及び/又は他の適切なポリマーでよい。多孔質金属(例えば、Trabecular METAL(商標)技術を用いて製造された金属など)、及び生体適合性ポリマー(例えば、PEEK又はUHMWPEなど)を組み合わせて利用することにより、寛骨臼シェル10を形成している両材料の弾性率は、皮質骨と海綿骨の弾性率の間にあるように選択されることができる。]
[0026] 具体的には、Trabecular METAL(商標)技術によって形成される多孔質タンタルの弾性率は、約3GPa(ギガパスカル)であり、PEEKの弾性率は、約3.6GPaであり、そしてUHMWPEの弾性率は、使用される特定のUHMWPEに応じて、0.5GPa〜2.0GPaの範囲である。したがって、0.5GPa〜2.0GPaの範囲内の様々な値が、本明細書に含まれる用途及び実施例を通じた計算値のUHMWPE弾性率に使用されている。任意の特定の計算に使用されるUHMWPEの弾性率の特定値が、関連している場合に認定される。さらに、皮質骨及び海綿骨の弾性率は、それぞれ15GPa及び0.1GPaである。一方で、コバルト−クロムの弾性率は220GPaであり、そしてTi−6A1−4Vの弾性率は110GPaである。したがって、Trabecular METAL(商標)技術により形成された多孔質タンタル並びにPEEK及び/又はUHMWPEの実質的に低い弾性率は、既知の寛骨臼シェルの有効剛性より実質的に低い寛骨臼シェル10の有効剛性を提供する。例えば、寛骨臼シェル10の有効剛性は、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、若しくは0.9GPa程度に低いか、又は1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、2.0、2.5、4.0、若しくは8.0GPa程度に高くてよい。典型的な一実施形態では、寛骨臼シェル10の有効剛性は、0.3GPa〜1.5GPaである。]
[0027] UHMWPEが内層14のポリマーとして使用されるとき、UHMWPEの材料特性を有益なものに変えて、その磨耗率を減らすために、UHMWPEは架橋されることができる。例えば、UHMWPEは、個々のポリエチレン分子の鎖切断並びにポリマー鎖上にフリーラジカルを形成するC−H結合の分解を起こす原因となる、電子ビーム又はγ線照射を受けてよい。次に、隣接するポリマー鎖上のフリーラジカルは、架橋したUHMWPEを形成するために、共に結合してよい。]
[0028] 別の典型的な実施形態では、内層14は、酸化防止安定化UHMWPEなどの酸化防止安定化ポリマーから形成される。典型的な一実施形態では、UHMWPE粉末は、酸化防止安定化UHMWPEを形成するために、酸化防止剤と合わせられる。酸化防止安定化ポリマーから内層14を形成することにより、ポリマー中のフリーラジカルの幾つかは反応停止させられて、酸化を減らし、それに応じて、ポリマーの耐用年数を増加させる。例えば、UHMWPEは、ビタミンC、リコピン、ハチミツ、及び/又はトコフェロール、すなわち、ビタミンEなどの酸化防止剤を含んでよい。さらに、d−α−トコフェロール、d,l−α−トコフェロール、又はα−トコフェロールアセテートなどの任意のトコフェロールが使用されてよいので、本明細書で他に明示されない限り、その一般形式の用語「トコフェロール」とは、全てのトコフェロールをいう。UHMWPEを抗酸化剤と組み合わせる典型的な方法は、本発明の譲受人に譲渡された2008年4月10日に出願された名称「AN ANTIOXIDANT STABILIZED CROSSLINKED ULTRA−HIGHMOLECULAR WEIGHT POLYETHYLENE FORMEDICAL DEVICEAPPLICATIONS」の同時係属米国特許出願第12/100、894号明細書(その全開示内容は、参照により全体で本明細書に明確に援用される)に記載されている。]
[0029] 酸化防止安定化UHMWPEを形成するためにUHMWPE及びトコフェロールを合わせるには、部品の実質的に均質な混合を達成する任意の装置及び/又はプロセスが利用されることができる。典型的な一実施形態では、溶媒混合が利用される。溶媒混合では、トコフェロールの粘度を下げて、トコフェロールのUHMWPEとの均質な混合を促進するために、トコフェロールは揮発性溶媒と混合される。トコフェロールが溶媒と混合されると直ぐに、トコフェロール/溶媒混合物は、例えばコーンミキサーによって、UHMWPEと混合されることができる。次に、溶媒が蒸発させられて、酸化防止安定化UHMWPEのみが残る。別の典型的な実施形態では、トコフェロールは、正確なコーティング又は噴霧により、UHMWPEと混合されることができる。例えば、ニロ(Niro)社(コロンビア、メリーランド)社製実験室用モジュール「Precision Coater」に接続された「MP−I MULTI−PROCESSOR(商標)Fluid Bed」を用いて、トコフェロールは、UHMWPE粉末上に正確にコーティングされることができる。「MULTI−PROCESSOR(商標)」は、ニロ社の商標である。]
[0030] 別の典型的な実施形態では、低強度混合が使用されることができる。マルチミキシング(Multimixing)S.A.社の子会社であるジオスナ(Diosna)社(ドイツ、オスナブリュック)から入手できる「Diosna PlOO Granulator」を用いて、低強度、すなわち低せん断混合は実行されることができる。別の典型的な実施形態では、高せん断混合が使用されることができる。UHMWPE及びトコフェロールの高せん断混合は、「RV02E又はR05T High Intensity Mixer」(共にアイリッヒ・マシーンズ(Eirich Machines)社(イリノイ州Gurnee)から入手できる)を用いて、達成されることができる。また、高せん断混合は、ニロ社(コロンビア、メリーランド)から入手できる「Collette ULTIMAPRO(商標)75 One Pot Processor」を用いて、達成されることができる。ULTIMAPRO(商標)は、ニロ社の商標である。UHMWPE及びトコフェロールを合わせるのに有用な上述の方法を試した結果に基づくと、高せん断混合は、許容可能な均質性、並びに兆候が少ないこと、すなわち、紫外線下での目視検査又は化学測定(例えば、赤外線分光法若しくはガスクロマトグラフィー)により決定されたときに、周囲地域に比べて、高いトコフェロール濃度の地域が少ないことを含む、好ましい結果を伴うように思われる。さらに、他の典型的な実施形態では、UHMWPE及びトコフェロールを合わせるために、流動床、エマルション重合、静電的沈殿、粒子の湿潤及びコーティング、及び/又はマスターバッチ混合が、使用されることができる。]
[0031] UHMWPE及びトコフェロールを合わせて酸化防止安定化UHMWPEを形成するために使用される方法に関係なく、成分は、0.01質量%(重量%)〜3質量%のトコフェロール濃度を達成するのに必要な比で混合される。典型的な実施形態では、例えば、トコフェロール濃度は、0.01質量%、0.05質量%、及び0.1質量%程度に低いか、又は0.6質量%、0.8質量%、及び1.0質量%程度に高くてよい。トコフェロールの適切な量を決定するには、2つの対立する問題が存在する。具体的には、選択される量は、UHMWPE中のフリーラジカルを反応停止させるほどに高くなければならないが、また酸化防止安定化UHMWPEの許容可能な磨耗性状を維持するために十分な架橋を可能にするほど低くなければならない。典型的な一実施形態では、0.1〜0.6質量%のトコフェロールの範囲が、許容可能な磨耗性状を未だに維持しながら、フリーラジカルを首尾よく反応停止させるために使用される。]
[0032] 酸化防止安定化UHMWPEが実質的に均質に混合され、かつトコフェロールの量が許容可能な範囲内であるように決定されると直ぐに、骨接触層14を形成するために、酸化防止安定化UHMWPEが骨接触層12に固定される。典型的な一実施形態では、酸化防止安定化UHMWPEが後述されるように骨接触層12に固定される。骨接触層12に固定されると直ぐに、酸化防止安定化UHMWPEが、架橋照射に曝露される。]
[0033] 架橋照射に対する曝露のための酸化防止安定化UHMWPEの調製において、酸化防止安定化UHMWPEは予熱されることができる。典型的な一実施形態では、酸化防止安定化UHMWPEは、室温(約23℃)から酸化防止安定化UHMWPEの融点(約140℃)以下までの任意の温度に予め加熱されることができる。別の典型的な実施形態では、酸化防止安定化UHMWPEが、6O℃〜130℃の温度に予め加熱されることができる。他の典型的な実施形態では、酸化防止安定化UHMWPEは、60℃、70℃、80℃、90℃、若しくは100℃程度に低いか、又は110℃、12O℃、13O℃、135℃、14O℃程度に高い温度に加熱されることができる。照射前に酸化防止安定化UHMWPEを予熱することにより、得られた照射された酸化防止安定化UHMWPEの材料特性は影響を受ける。したがって、比較的低温(例えば、約4O℃)で照射された酸化防止安定化UHMWPEに関する材料特性は、比較的高温(例えば、約12O℃〜約14O℃)で照射された酸化防止安定化UHMWPEに関する材料特性と実質的に異なる。]
[0034] しかし、より低い温度で照射された酸化防止安定化UHMWPEの材料特性は優れているであろうが、磨耗性状、疲労特性、酸化度、及びフリーラジカル濃度は、全て否定的に影響を受ける。一方で、より高温での酸化防止安定化UHMWPEの照射は、材料特性を僅かに減らすであろうが、それは、より高い鎖運動性及び断熱溶融のために、結果としてより高い架橋性にもなる。さらに、より高い温度で照射することにより、より多数の架橋が形成される。したがって、酸化防止安定化UHMWPE中にフリーラジカルがほとんどなく、照射中及びその直後に、そしてトコフェロールは、フリーラジカルと反応させることにより消費されることはほとんどない。結果として、酸化防止安定化UHMWPEのライフサイクル中、すなわち照射後に、より多量のトコフェロールが、フリーラジカルと反応してよい混合物中に残存する。これは、逆に、酸化防止安定化UHMWPEの全体的な酸化安定性を増加させる。]
[0035] さらに、酸化防止安定化UHMWPE形成内層14及び骨接触層12の多孔質金属が照射されるとき、骨接触層12は、温度が急速に上がるであろう。したがって、酸化防止安定化UHMWPE形成内層14及び骨接触層12の多孔質金属の予熱温度を決定するときに、骨接触層12の温度上昇は考慮されるべきである。]
[0036] 酸化防止安定化UHMWPE形成内層14の温度が、好ましい予熱温度に到達した後に、UHMWPEの架橋を増加させるために、酸化防止安定化UHMWPEはその後に照射される。したがって、本明細書では、「架橋照射」とは、架橋を形成するために事後的に混合するであろうフリーラジカルを形成するために、酸化防止安定化UHMWPEをイオン化照射に曝露することをいう。例えば、照射は、大気圧での空気中で、実質的に無圧力、次に大気圧での真空チャンバ中で、又は不活性環境、すなわちアルゴン環境中で行なわれてよい。照射は、典型的な一実施形態では、電子ビーム照射である。別の典型的な実施形態では、照射はγ線照射である。さらに別の典型的な実施形態では、架橋は、照射を必要としないが、代わりにシラン架橋を利用する。典型的な一実施形態では、酸化防止安定化UHMWPEを約25kGy〜1,000kGyの全放射線量に曝露することにより、架橋が誘導される。別の典型的な実施形態では、酸化防止安定化UHMWPEを空気中の約50kGy〜250kGyの全放射線量に曝露することにより、架橋は誘導される。これらの投与量は、酸化防止安定化UHMWPE中の酸化防止剤の存在のために、UHMWPEを架橋するために一般に使用される投与量より高い。具体的には、酸化防止剤は、照射中にフリーラジカルになるポリエチレン鎖の幾つかと反応する。結果として、従来のUHMWPE中のより低い照射量で起こる架橋、すなわち、UHMWPEが酸化防止剤を含まない架橋と同水準に達するために、より高い照射量は、酸化防止安定化UHMWPEに投与されなければならない。]
[0037] 有利には、寛骨臼部品10の内層14を形成するために酸化防止安定化された架橋ポリマーを利用することにより、内層14の厚さは、実質的に減らされることができる。例えば、図2Bに示され、かつ後述される内層14の支持層26の厚さは、実質的に4mmもなく、さらに4mmより厚い支持層を有する既知の寛骨臼カップと同水準の接触応力を維持するであろう。上述のように、金属裏張整形外科部品の支持層26が4mm以上でなければならないことが、当業者によってこれまで信じられていた。しかし、寛骨臼カップ人工装具10は、既知の寛骨臼カップ設計より実質的に低い弾性率を有する。結果として、図4に示したように、同負荷条件下で、多孔質金属裏張寛骨臼部品は、寛骨臼カップ人工装具10のピーク接触応力が下げられるように、より変形し、かつより多くの接触面積を提供するであろう。さらに、支持層26の厚さが減少した寛骨臼部品の形成は、咬合している大腿骨頭部品のより大きな可動域を可能にし、かつ寛骨臼部品の外側の直径も減らし、結果として患者の元の骨量の維持につながる。酸化防止安定化ポリマー内層14を有する本発明の整形外科部品の特性に関する追加の情報は、対応する実施例において下記で説明される。] 図2B 図4
[0038] 寛骨臼シェル10を製造するために、骨接触層12は、製粉、鋳型成形、及び/又は機械加工などの従来技術を用いて形成される。好ましい特徴を有するように形成されるか、及び/又は機械加工されると直ぐに、内層14は、骨接触層12に取り付けられる。典型的な一実施形態では、射出又は圧縮成形により、内層14は、骨接触層12に取り付けられる。多孔質金属、例えば、Trabecular METAL(商標)技術を用いて形成される材料、又は骨接触層12を形成する多孔質コーティングを有する金属を利用することにより、内層14の取り付けは、内層14を形成している生体適合性ポリマーが骨接触層12の孔内に受け入れられることを可能にする。この相互作用は、これら2つの層をまとめて固定して取り付けるために、骨接触層12と内層14の間の硬い機械結合を形成して、関節の取り付け中に出会う骨接触層12と内層14の間の力の移動を可能にする。]
[0039] 図2A及び2Bを参照すると、内層14のポリマー材料が、骨接触層12の多孔質基板内に好ましい深さまで少なくとも部分的に成形されることができるので、骨接触層12の細孔又は管18内の内層14のポリマー材料の少なくとも部分的な咬合により内層14のポリマー材料が骨接触層12に結合される統一構成を形成する。この態様では、図2Bを参照すると、一般に、インプラント構造は、寛骨臼カップ10が患者内にインプラントされるときに骨組織と接触して結合するであろう多孔質層22、内層14のポリマー材料が骨接触層12内に侵入している相互咬合層24、及び内層14のポリマー材料を含み、かつ軸受面20を特定している支持層26を含む3個の層を含む。したがって、相互咬合層24は、支持層26の材料が多孔質層22の材料と相互に咬合する相互咬合領域を規定しており、そして支持層26のポリマー材料と多孔質層22の空隙又は管18を規定している靭帯16との間の相互作用は、その上に支持層26を保持する。] 図2A 図2B
[0040] これら3個の層、すなわち、多孔質層22、相互咬合層24、及び支持層26のそれぞれの厚さ、並びに多孔質層22の多孔度を変えることにより、異なる剛性を有する整形外科部品が形成されることができる。有利には、これは、外科医又は他の医療専門家が、実質的には個々の患者の骨剛性と同じ剛性を有する整形外科部品を選択することを可能にする。さらに、これは、整形外科部品の製造業者が、整形外科部品がインプラントされるように設計される骨の剛性と実質的に同じ剛性を有する整形外科部品を設計して製造することを可能にする。例えば、整形外科部品が寛骨臼部品であるならば、多孔質層22、相互咬合層24、及び支持層26の厚さは、骨盤の骨の弾性率と実質的に同じ有効剛性を有する整形外科部品を形成するように設計されることができる。同様に、整形外科部品が関節部品であるならば、多孔質層22、相互咬合層24、及び支持層26の厚さは、肩甲骨の関節の骨の弾性率と実質的に同じ有効剛性を有する整形外科部品を形成するように設計されることができる。上述の層のそれぞれの特定の厚さ及びそれらを用いて得られる有効剛性に関する追加の詳細な情報は、対応する実施例において後述される。]
[0041] 内層14の骨接触層12への取り付け(例えば、射出又は圧縮成形)が終わると直ぐに、寛骨臼シェル10が完成する、すなわち、インプラントの準備が整うであろう。寛骨臼シェルが10、取り付けプロセスの最後に終わっていないならば、寛骨臼シェル10は、最後の移植可能な寛骨臼シェルを形成するために、さらに機械加工されることができる。典型的な一実施形態では、骨接触層12及び内層14を有する寛骨臼部品10は、移植可能な寛骨臼人工装具の全体を形成する。したがって、この実施形態では、対応する大腿骨人工装具は、軸受面20に対して関節接合されるであろう。しかし、別の典型的な実施形態では、軸受面20は、寛骨臼ライナーのための接触及び/又は軸受面を規定してよい。この実施形態では、尻人工装具の寛骨臼部品を完成するために、寛骨臼ライナーが準備されることができる。元の股関節を複製するために、寛骨臼ライナー(例えば、後述されるライナー28及び30など)は、大腿骨人工装具の頭部を受け入れる。]
[0042] 寛骨臼ライナーの寛骨臼シェル10に対する取り付けを促進するために、統合係止機構が、内層14を骨接触層12へ取り付けるプロセス中に、内層14中に組み込まれることができる。図3を参照すると、典型的な一実施形態では、溝32が、軸受面20上の内層14中に形成されることができる。例えば、溝32は、内層14の赤道付近で、及び/又は内層14の赤道で、軸受面20の周囲に広がることができる。溝32は、ポリエチレンから形成されることができる寛骨臼ライナー28上に形成されるリブ34と咬合するように構成されることができる。次に、寛骨臼ライナー28は、溝32及びリブ34のスナップ式結合を介して寛骨臼シェル10内に保持されることができる。] 図3
[0043] さらに、別の典型的な実施形態では、溝32は、交換リング38上に形成されたリブ36と咬合するように構成されることもできる。交換リング38は、寛骨臼ライナー30上の外先細面42と咬合するように構成されることができる内先細面40を含む。例えば、寛骨臼ライナー30は、金属又はセラミックから形成されることができる。したがって、交換リング38は、溝32及びリブ36のスナップ式結合を介して寛骨臼シェル10内に保持されることができる。次に、寛骨臼ライナー30は、交換リング38により保持され、かつ交換リング38の内先細面40及び寛骨臼ライナー30の外先細面42の係合により寛骨臼シェル10内に保持されることができる。交換リング28の操作及び使用に関する追加の詳細は、2006年4月11日に出願された名称「ACETABULAR CUP CONVERSIONRING」の同時係属米国特許出願公開第11/401,727号明細書(その全内容は、参照により全体で本明細書に援用される)で説明される。]
[0044] 別の典型的な実施形態では、統合係止機構は、バネリング又は任意の他の係止部品を受け入れるように構成されることができる。さらに別の典型的な実施形態では、統合係止機構は、モールステーパでよい。このモールステーパは、交換リング38を使うことなく、対応する寛骨臼ライナーと咬合するように構成された自動ロックテーパとして形成されることができる。有利には、統合係止機構の使用は、外科医が異なるライナー同士を容易に切り替えることを可能にし、また完全な寛骨臼カップ集成体を形成するために必要な部品の数を少なくすることもできる。]
[0045] さらに、内層14が骨接触層12に取り付けられるときに、内層14は、既知の寛骨臼カップの内面又は軸受面より平滑でよい平滑軸受面20によって形成されることができる。例えば、既知の寛骨臼カップは、13μm以上の数平均粗さ(Ra)を有する軸受面を有する。一方で、平滑軸受面20は、1、2、3、若しくは4μm程度に低いか、又は7、8、9、若しくは10μm程度に高いRaを有してよい。典型的な一実施形態では、平滑軸受面20が、約4μm〜8μmのRaを有する。平滑軸受面20の形成は、関節接合中に内層14の軸受面20とライナー28の外面44の間に潜在的に形成されるであろう磨耗片を最小化することができる。]
[0046] さらに、内層14の骨接触層12への取り付けが射出成形により達成されるならば、面18は、射出成形の対応面と同じ仕上げ、すなわち同じ粗さを有するであろう。したがって、対応する射出成形面は、平滑仕上げまで研磨され、次に、寛骨臼シェル10の軸受面20をさらに平滑にするか、若しくは研磨する必要が、実質的に無くなる。有利には、これは、製造プロセスを短縮して、その作業及び金型コストを少なくすることにより製造コストを下げる。さらに、内層14の表面粗さは、ライナー28の表面粗さと実質的に同じでよい。内層14及びライナー28の実質的に類似する表面粗さの結果として、磨耗片の形成は、さらに縮小されることができる。]
[0047] 寛骨臼シェル10のインプラントのための調製において、最大量及び/又はより強い領域の骨部分を有する位置を決定するために、外科医は、臼蓋窩を検査してよい。図1を参照すると、この決定が行なわれると直ぐに、外科医は、前に特定された領域に沿って並ぶであろう寛骨臼シェル10内で骨ネジを受入れる開口部46をドリルで開けてよい。有利には、外科医に整形外科部品中の骨ネジを受け入れる開口部の位置を調整させることにより、様々な骨ネジを受け入れる開口部の配置によって異なる整形外科部品を作り、かつそれらを製造するコストが実質的に無くなる。次に、寛骨臼シェル10のインプラントのための準備が整うと直ぐに、寛骨臼シェル10は調製された元の臼蓋窩中に挿入され、そして骨ネジ(例えば、骨ネジ48など)は、開口部46内に位置して、かつ患者の元の骨部分中に通される。典型的な一実施形態では、骨ネジ48が患者の骨部分に加えられると直ぐに、ライナー28及び30の1つは、上述の態様で寛骨臼シェル10に接続されることができる。別の典型的な実施形態では、骨ネジ48の頭部50の実質的に全体が外層12内に配置されるように、骨ネジ48は、開口部46中に埋められることができる。また、別の典型的な実施形態では、例えば、ライナーは、インプラント前に寛骨臼シェル10に取り付けられることができて、それらの2つの部品は、共にインプラントされ、かつ骨セメントを用いて患者の臼蓋窩内の位置に保持される。] 図1
[0048] 有利には、骨接触層12及び内層14の取り付けのために、骨ネジを受け入れる開口部46をドリルで開けている間に発生した任意の塵及び/又は破片が、内層14のポリマー片内に実質的に含まれるであろう。これは、外科医が、金属塵又は片、及び穴開け操作中にカプセル化された追加の金属塵又は片を有し得るより大きなポリマー切削物を除去することにより、骨ネジを受け入れる開口部の形成中に発生した任意の塵及び/又は破片を寛骨臼シェル10から容易に除去することを可能にする。]
[0049] 次の非限定的な実施例によって、本発明の様々な性質及び特性が説明されるが、本発明は、それらに限定されるものとして解釈されるものではない。特に明示しない限り、実施例を通じて次の略語が使用される。]
[0050] ]
[0051] 実施例1
PEEK層/多孔質層構造物の有効剛性
分析モデルを使用して、多孔質金属の層と隣接して配置されたPEEK層の有効剛性を研究した。]
[0052] 多孔質金属層と隣接して配置されたPEEK層の有効剛性は、個々の層の材料特性及び形状の両方に左右される。したがって、任意の形状の影響を除去する試みのために、対応する長方形の多孔質金属層上に配置された長方形のPEEK層を含むように、分析モデルを形成した。このモデルには、多孔質金属層の細孔中に侵入(浸透)しているPEEKの無い、PEEK層と多孔質金属層との無摩擦接触を組み込んだ。さらに、この多孔質金属層は、上記で詳細に説明したように、Trabecular METAL(商標)技術に従って形成された多孔質金属層と実質的に同じ特性を有するものとみなされる。次に、このモデルを一軸圧縮に供する。応力が両材料により平等に運ばれて、材料の圧縮変位が加わる。したがって、モデルの全変位は、下記:



のように計算される。]
[0053] したがって、2つの材料構造物の有効剛性は:



である。]
[0054] 異なる剛性値がTrabecular METAL(商標)技術によって形成される多孔質金属層について得られ、かつ異なる用途ではPEEK層及び多孔質金属層の異なる厚さを必要とするであろうから、有効剛性を値域下でモデル化した。1〜3GPaで変化している多孔質金属層の剛性、2.0〜5.8mmで変化しているPEEK層の厚さ、及び4mmで一定のままである多孔質金属層の厚さによって、有効剛性をモデル化した。幾つかの代表的な剛性、すなわち様々な材料のヤング率に加えて、得られた有効剛性を表2に示す。]
[0055] ]
[0056] 表2を参照すると、その結果によって、4mmの多孔質金属層及び2mmのPEEK層を用いると、1.0GPaが多孔質金属層の弾性率として使用されるときに、構造物の有効剛性が1.3GPaであるということが示された。さらに、4mmの多孔質金属層及び2.0mmのPEEK層を用いると、3.0GPaが多孔質金属層の弾性率として使用されたときに、構造物の有効剛性が3.3GPaであった。さらに、その結果によって、4mmの多孔質金属層及び5.8mmのPEEK層を用いると、1.0GPaが多孔質金属層の弾性率として使用されるときに、構造物の有効剛性が1.8GPaであることが示された。さらに、4mmの多孔質金属層及び5.8mmのPEEK層を用いると、3.0GPaが多孔質金属層の弾性率として使用されたときに、構造物の有効剛性が3.5GPaであった。]
[0057] 実施例2
PEEK層/多孔質層剛性における寛骨臼カップ形状の影響
有限要素(FE)モデルを使用して、多孔質金属の層と相互咬合しているPEEK層を有する理想的な寛骨臼の尻カップモデルの有効剛性を研究した。]
[0058] 市販のFEソフトウェアABAQUS6.7(アバクス(ABAQUS)社、米国、ロードアイランド州Providence)を用いて3−DパラメータFEモデルを開発した。FEモデルは、大腿骨部品、寛骨臼カップ、及び骨セメント境界を含んでいた。硬く、かつ16mmの半径、Rfemoralを有する球形であるように大腿骨部品をモデル化した。一連の連続層を有するように、寛骨臼カップをモデル化した。最深層は、寛骨臼の構造物の寛骨臼ライナーを形成し、かつ大腿骨部品が関節接合するUHMWPE層である。最深PEEK層、相互咬合されたPEEK/多孔質金属層、及び最外多孔質金属層を有するように、寛骨臼の構造物の寛骨臼シェルをモデル化した。上記で詳述したように、Trabecular METAL(商標)技術によって形成された材料の特性を有するように、多孔質金属層をモデル化した。]
[0059] さらに、試験したポリマー間の2つの個別の分布によって、全ポリマー厚、すなわち、UHMWPE及びPEEK層の統合厚を7.8252mmであるようにモデル化した。5.8252mmのUHMWPE層の厚さ及び2.0mmのPEEK層の厚さによって第一分布をモデル化して、2.0252mmのUHMWPE層の厚さ及び5.8mmのPEEK層の厚さによって第二分布をモデル化した。2.1248mmの一定厚を有するように、PEEK/多孔質金属層、すなわち相互咬合層をモデル化して、そして2.077mmの一定厚を有するように、多孔質金属層をモデル化した。48.027mmの外半径Rcement及び48.027mmの高さHcementを有する骨セメントのブロック中に組み込まれるように、この全構造物をモデル化した。]
[0060] また、寛骨臼シェルと骨セメントの間の接合部分を含む十分に結合した状態であるように、上述の材料接触部分のそれぞれをモデル化して、UHMWPE層上の大腿骨部品の咬合のための摩擦係数を0.02であるようにモデル化した。各層についてモデル化した弾性率を下記表3で説明する。0.3のポアソン比を有するように全材料をモデル化した。]
[0061] ]
[0062] 上記で説明したようなモデルを用いて、図6に示されたように、十分に抑制された骨セメントの外側境界によって、寛骨臼カップ構造物の原線に対して45°で大腿骨頭へ1700lbfの荷重をかけることにより、大腿骨頭を挿入した。大腿骨部品に生じた変位を計算した。有効応力及び有効歪みを用いて、寛骨臼の構造物の有効剛性を計算した。したがって、カップの内表面積、すなわち2πR2femoralによって除された、大腿骨部品に掛けられた力、すなわち1700lbfとして、有効応力を計算した。寛骨臼カップ構造物の全厚、すなわち、tcup=tUHMWPE+tPEEK+tPorous/PEEK+tPorousで除した、大腿骨部品の半径方向変位、すなわち△rheadとして、有効歪みを計算した。したがって、有効剛性は:



である。] 図6
[0063] 上述のモデルを利用したとき、5.8252mmのUHMWPE層の厚さ及び2.0mmのPEEK層の厚さを有する寛骨臼の構造物の有効剛性は、Eeff=0.45GPaであり、そして、2.0252mmのUHMWPE層の厚さ及び5.8mmのPEEK層の厚さを有する寛骨臼の構造物の有効剛性は、Eeff=0.54GPaである。]
[0064] 実施例3
多孔質金属/UHMWPE整形外科部品における層厚の影響
2D確率的微細構造FEモデルを開発して、多孔質金属層と相互咬合しているUHMWPE層を有する理想的な寛骨臼の尻カップを示した。内形状は、FORTRANのカスタムプログラムによって発生した2Dランダムボロノイ構造を基準とした。また、このプログラムは、異なる設計を作るために、3個の層、すなわちUHMWPE層、相互咬合層、及び多孔質金属層の厚さをパラメータ的に変えることを可能にする。タンタル微細構造(例えば、Trabecular METAL(商標)技術を用いて形成された材料中に形成されたものなど)は、図2aに示したように、結ばれていない先端を有し、かつ多孔質金属層の周辺を規定している靭帯16の部分である。図7に示したように、これらのタンタル微細構造を双線形弾性材料としてモデル化し、一方で、図8に示したように、多重線形弾性材料としてUHMWPEをモデル化した。さらに、本明細書で説明するように、モデルに使用されたUHMWPEの様々な特性は、酸化防止安定化された架橋UHMWPEの特性と一致する。FEモデルに使用された要素は、二次変位挙動を有する8個のノードの二次要素であり、かつ2Dの不規則メッシュをモデル化するのに最適であるPLANE183であった。したがって、一般に、生成したFEモデルは、50,000個以上の要素を含んでいた。モデルを調製して直ぐに、図9に示したように、非拘束圧縮負荷条件を用いて一軸圧縮をシミュレートした。非拘束圧縮は、荷重が掛けられているものと反対の方向への自由な寸法変化を許可する。図9には、x軸と平行な横寸法の次元δ1の変化を示す。このオブジェクトは、y軸と平行な縦寸法に変形するのは自由である。] 図7 図8 図9
[0065] 上述の条件を用いて、3個のパラメータ、2段階の全要因解析を行なって、設計パラメータ、すなわち、多孔質金属の多孔度(φ)、相互咬合層の厚さ(Ti)、及び全体的な線形弾性剛性(弾性スティフネス)におけるUHMWPE層の厚さ:多孔質金属層の厚さの比(Tp/Tt))、すなわち構造物の弾性率の影響を調査した。要因及びそれらの関連する低水準及び高水準を下記表4に示す。全体的な構造物の厚さを10mmの全厚で一定に保った。構造物の多孔度をそれぞれ65及び85%であると仮定した。]
[0066] ]
[0067] 実験の計画(「DOE」)要因解析からより重要な効果決定した後、パラメータ研究を実行して、モデル化された多孔質金属/UHMWPE構造物の機械的挙動(例えば、弾性率など)を評価した。決定されたDOE解析(これらのパラメータが表4に示された)は、予想される機械的挙動(すなわち、所定の荷重に関する偏向の量を規定する剛性)に多大な影響を与える。それらのパラメータは、多孔度(%)、ポリエチレン厚Tp及び「Trabecular Metal」法の厚さTtである。現在のインプラント設計を基準として多孔度及び層厚の異なる及び代表的な値を選択した。全構造物の全体的な厚さ及び相互咬合層の全体的な厚さをそれぞれ10mm及び2mmで一定に保った。さらに、0.6及び3.0の値を多孔質金属層の厚さ:ポリマー層の厚さの比について使用し、そして65%及び85%の値を多孔質金属層の多孔度について使用した。調査された厚さ及び多孔度の組み合わせのマトリクスを下記表5に示す。ANSYS10有限解析ソフトウェア(アンシス(ANSYS)社、米国、ペンシルバニア州、Canonsburg)によってFE解析を実行して、図9で説明するような一軸圧縮付加条件をシミュレートした。] 図9
[0068] ]
[0069] 圧縮負荷条件下で評価された全体的な線形剛性の反応、すなわち、弾性率について要因解析を実行した。95%信頼水準を考慮して、全体的な反応の影響を評価した。表6に示したように、要因解析によって、多孔質金属層の厚さ:ポリマー層の厚さの比と金属の多孔度との重要な相互作用が示された。相互咬合層の厚さが、構造物剛性にほとんど影響しないことを発見し、そして研究の残りの部分については相互咬合層の厚さを一定に保った。具体的には、各需要要因及びモデルに対する相互作用の寄与率が、多孔度について49.7%、多孔質金属層の厚さ:ポリマー層の厚さの比について32.6%、多孔質金属層の厚さ:ポリマー層の厚さの比と金属の多孔度との相互作用について17.5%、及び相互咬合層の厚さについて0.27%であることを決定した。結果を表6並びに図10及び11にプロットする。] 図10
[0070] ]
[0071] これらの結果を基準として、多孔質金属のより高い多孔度水準、構造物のより低い全体的な線形弾性構造剛性、若しくは弾性率を示した。また、線形領域では、UHMWPEの厚さの増加が、全体的な線形剛性の減少、若しくは弾性率を与えることも分かった。非線形の全体的な機械的挙動における相互咬合層及びポリマー層の厚さの影響も発見した。線形領域(e<0.02%)では、UHMWPE層の厚さの増加は(応力対歪み曲線のスロープによって示されているように)弾性率を減少させるであろうが、相互咬合層の厚さは、弾性率にほとんど影響しないことが図12及び13から分かる。非線形領域(e>0.02%)では、相互咬合層の増加は、弾性率を増加させるが、ポリマー層の厚さの増加は、材料に変化をほとんど与えない。] 図12
[0072] さらに、術後1ヶ月中に初期固定、そして構造的骨モデル化/再モデル化反応による二次固定を促進するために、臨床的に成功した整形外科部品は、適切な剛性を有しなければならない。過度に堅いインプラント由来の「応力遮蔽」のために、骨再吸収及び次のインプラント緩和は、高い骨応力及び低い骨応力によって起こるであろう。これに基づいて、直接圧縮成型された多孔質金属(例えば、Trabecular METAL(商標)技術に従って形成された金属など)及びポリマー(例えば、UHMWPE又はPEEKなど)の事前の設計によって、構造物がインプラントされる骨の剛性と実質的に同じである剛性を有するように構造物を形成できる。現在の研究の結果によって示されるように、構造物のバルク線形剛性は、ポリマー層の厚さ及び多孔質金属の多孔度によって主に影響を受ける。さらに、骨の機械特性は、非均質かつ異方性であり、解剖学的部位間で変わる。したがって、多孔質金属層の所定の多孔度、及び相互咬合されたポリマーの厚さ、及びそのホスト骨の構造的剛性を対象とする多孔質金属層によって、インプラントを設計してよい。典型的な一実施形態では、UHMWPEに関する図14の実線及び点線によって表されるように、これは、ポリマー層の厚さを変えることにより達成されることができる。] 図14
[0073] 実施例4
層の厚さにおける酸化防止剤安定化の影響
上記実施例3で開発された先のFEモデルを用いて、多孔質金属及び従来のUHMWPE(すなわち、酸化防止安定化されていないUHMWPE)を用いるUHMWPEの設計を、酸化防止安定化UHMWPE(すなわち、ビタミンEなどの酸化防止剤を組み込んでいるUHMWPE)を用いる多孔質金属及びUHMWPE設計と比較した。多孔質金属の多孔度を82%であると仮定した。多線形材料(図5に示したように、酸化防止安定化UHMWPEが、従来のUHMWPEより低い弾性率を有するが、高い降伏応力を有することを示す)として、従来のUHMWPE及び酸化防止安定化UHMWPEの両方をモデル化した。全モデルを一軸圧縮下としてシミュレートしたところ、全モデルの形状は同一であった。さらに、モデルでは、従来のUHMWPE及び酸化防止安定化UHMWPE層の両方の厚さが3.5mmであり、そして多孔質金属層の厚さは3.0mmであった。] 図5
[0074] 荷重プロセス中に、従来のUHMWPE及び酸化防止安定化UHMWPEの両方に関する最大応力点での応力を記録して、結果を下記表7で説明する。表7を参照すると、結果によって、全体的な反応が、非線形領域中で、かつ圧縮負荷下での変化がほとんどないことが示された。圧縮負荷条件にかかわらず、圧縮応力が、従来のUHMWPEよりも酸化防止安定化UHMWPEにおいて低い8%以下であることが分かった。さらに、せん断応力は、従来のUHMWPEよりも酸化防止安定化UHMWPEにおいて低い13%以下であった。これは、同一荷重条件下では、酸化防止安定化UHMWPEを用いる多孔質金属/UHMWPE構造物は、従来のUHMWPEを用いる類似構造物より少ない全体的な応力を受けるであろうことを示す。したがって、そのような構造物では、酸化防止安定化UHMWPEは、従来のUHMWPEと等しいか、又はより良好な機械的性能を有するであろう。]
[0075] ]
[0076] 実施例5
α−トコフェロールアセテートの実行可能性研究
下記で説明される様々な実施例5〜13を通して、照射されたUHMWPE混合物(すなわち、酸化防止安定化された架橋UHMWPE)を使用したが、それらは、3つの異なる照射法の1つに従って照射された。下記実施例で使用されたように、用語「UHMWPE混合物」とは、酸化防止安定化UHMWPEをいうか、又は架橋照射を受けさせた後の酸化防止安定化UHMWPEをいうものとして使用されるならば、酸化防止安定化された架橋UHMWPEをいう。上記で説明したように、照射条件と技術の差は、UHMWPE混合物の得られた材料特性に影響するであろう。したがって、実施例及び対応する表で説明される結果を適切に分析して比べるために、関連する場合には、下記表8で説明される方法の1つによって照射されているように、下記実施例で使用される照射されたUHMWPE混合物のそれぞれを示した。さらに、低い照射線量で線量測定を実行して、次に、より高い線量を達成するのに必要な電子ビーム源の活性化をパラメータ的に決定することにより、電子ビーム源を調整する。結果として、より高い照射線量で、実際の線量とパラメータ的に決定された線量の間に差が存在し、それは、照射されたUHMWPE混合物の材料特性における差をもたらすであろう。]
[0077] ]
[0078] α−トコフェロールアセテートをUHMWPEと混合する実行可能性を調査した。また、α−トコフェロールアセテートをDSMニュートリショナル・プロダクツ(DSM Nutritional Products)社(オランダ、ヘレーン)から得て、そして医療グレードのUHMWPE粉末GUR1050をケンタッキー州フローレンスに北米本社を有するティコナ(Ticona)社から入手した。次に、イソプロパノールを希釈剤としてのα−トコフェロールアセテートに加え、そしてα−トコフェロールアセテートをUHMWPE粉末と溶媒混合した。2つの異なるUHMWPE/α−トコフェロールアセテート混合物(一つのUHMWPE混合物は、0.05質量%のα−トコフェロールアセテートを有し、もう一方のUHMWPE混合物は、0.5質量%のα−トコフェロールアセテートを有する。)が得られるまで混合を続けた。次に、UHMWPE混合物のそれぞれを圧縮成形して、4つの1インチ厚パックを形成した。各UHMWPE混合物の2つのパック、すなわち、0.05質量%のα−トコフェロールアセテートを有するUHMWPE混合物の2つのパック、及び0.5質量%のα−トコフェロールアセテートを有するUHMWPE混合物の2つのパックを、イリノイ州ラウンドレイクのグリーブ(Grieve)社製Grieve対流式オーブン内で120℃に予熱した。これらのパックを120℃で8時間保持した。8時間後、カナダ、BC、Port Coquitlamに所在するイオトロン・インダストリーズ・カナダ(Iotron Industries Canada)社において、65kGy〜100kGyの線量で、10MeV、50kGy−m/分の線量率でパックに照射した。]
[0079] 各UHMWPE混合物の残りの2つのパック、すなわち、0.05質量%のα−トコフェロールアセテートを有するUHMWPE混合物の2つのパック、及び0.5質量%のα−トコフェロールアセテートを有するUHMWPE混合物の2つのパックを終夜で40℃に加熱した。翌朝、カナダ、BC、Port Coquitlamに所在するイオトロン・インダストリーズ・カナダ社において、100kGy線量で、10MeV、50kGy−m/分の線量率で、各UHMWPE混合物の残りの2つのパックに照射した。]
[0080] 照射後、パックの全てを半分に切断して、各パックの中心からフィルムを切り出した。次に、マサチューセッツ州Billericaのブルッカー・オプティクス(Bruker Optics)社製Bruker Optics赤外分光光度計を用いて、フィルムをFTIR解析に供した。次に、各パックの半分に切断したものの両方を約1/8インチ厚のフラットシートに機械加工した。フラットシートの半分を直ぐにFTIRに供した。次に、空気中のガンマ線照射後、超高分子量ポリエチレンの米国材料試験協会(ASTM)規格F−2003、促進老化のための標準的技法に従って、フラットシートのもう一方を促進老化に供した。フラットシートから形成された引張試料を促進老化に供して、次にFTIR解析に供した。下記表9及び図14で説明されるFTIR結果から、α−トコフェロールアセテートのOI及び質量%を決定した。しかし、FTIR結果には、0.5質量%、65kGy、未老化サンプルに関するOIの測定値を阻む妨害ピークがある。] 図14
[0081] ]
[0082] FTIR結果によって、一般に、0.05質量%のα−トコフェロールアセテートを有するUHMWPE混合物のOIが、0.50質量%のα−トコフェロールアセテートを有するUHMWPE混合物のOIより高いことが明らかになった。これは、照射後に、これらの試料が未だにα−トコフェロールアセテートを含んでいたからであると考えられる。結果として、α−トコフェロールアセテートは未だにこれらの試料中で得られ、フリーラジカルと反応して、UHMWPE混合物の酸化分解を減少させる。さらに、FTIR結果によって、0.05質量%のα−トコフェロールアセテートを有するUHMWPE混合物の照射後に、実際にはα−トコフェロールアセテートが残らず、また0.5質量%のα−トコフェロールアセテートを有するUHMWPE混合物の照射後に、α−トコフェロールアセテートの約3分の1が残ることが示された。さらに、下記表10に示されるように、引張特性は、促進老化を受けたUHMWPE混合物及び促進老化を受けなかったUHMWPE混合物の両方について同じであった。最終的に、FTIR結果によって、α−トコフェロールアセテートを含むUHMWPE混合物が、類似の濃度のd,l−α−トコフェロールを含む混合物と同様の安定化特性、すなわち、酸化分解を防ぐ同様の能力を有することが示された。]
[0083] ]
[0084] 実施例6
トコフェロールを有するUHMWPE混合物の化学特性
バー状に成形され、かつ電子ビームを照射されたUHMWPE粉末と機械的に混合されたd/l−α−トコフェロールの化学特性を調査した。この調査を実行するために、ミネソタ州ミネアポリスのスタット・イーズ(Stat−Ease)社製Design Expert6.0.10ソフトウェアを利用して、実験の改良された一部実施要因計画(DOE)を立てた。DOEでは、5つの異なる値:UHMWPE樹脂種、d/l−α−トコフェロールの質量%、予熱温度、線量率、及び照射線量を評価した。]
[0085] GUR1050及びGUR1020医療グレードのUHMWPE粉末をケンタッキー州フローレンスに北米本社を有するティコナ社から得た。d/l−α−トコフェロールをDSMニュートリショナル・プロダクツ社(オランダ、ヘレーン)から得た。マルチミキシング(Multimixing)S.A.社の子会社であるドイツ、オスナブルックのジオスナ(Diosna)社製Diosna P100粉砕機を用いて、低強度混合により、GUR1050及びGUR1020を別々にd/l−α−トコフェロールと機械的に混合した。GUR1050及びGUR1020樹脂の両方を幾つかのバッチ中のd/l−α−トコフェロールと混合して、0.2質量%、0.5質量%、及び1.0質量%のd/l−α−トコフェロールを有する全ての樹脂種のUHMWPE混合物を形成した。混合材料の各バッチを板状に圧力成形して、各寸法のバー状に切断した。次に、イリノイ州ラウンドレイクのグリーブ社製Grieve対流式オーブン内で予熱温度に加熱することにより、得られたバーのそれぞれを予熱した。下記表11で説明するように、40℃、100℃、110℃及び122.2℃から予熱温度を選択した。]
[0086] 予熱した後に、選択された線量率で、上記表8で説明した方法Cに従って、選択された全照射線量を与えるまで、UHMWPE混合物バーに電子ビームを照射した。線量率を75kGy−m/分、155kGy−m/分、及び240kGy−m/分から選択して、そして90kGy、120kGy、150kGy、及び200kGyから全照射線量を選択した。次に、各バーの一部分を200μm厚のフィルムの薄片にした。次に、マサチューセッツ州Billericaのブルッカー・オプティクス社製Bruker Optics赤外分光光度計によるFTIR分析にこれらのフィルムを供した。FTIR結果を分析して、VEI、d/l−α−トコフェロールの質量%、OI、及びTVIを決定した。得られたFTIRチャート上の1275〜1245cm−1におけるd/l−α−トコフェロールのピーク面積:1392〜1330cm−1及び1985〜1850cm−1におけるポリエチレンのピーク面積の比を計算することにより、VEI及びd/l−α−トコフェロールの質量%を決定した。FTIRチャート上の1765〜1680cm−1におけるカルボニルのピーク面積:1392〜1330cm−1におけるポリエチレンのピーク面積の比を計算することにより、OIを決定した。FTIRチャート上の980〜947cm−1におけるビニルのピーク面積:1392〜1330cm−1におけるポリエチレンのピーク面積の比を計算することにより、TVIを決定した。]
[0087] 薄膜のFTIR分析から初期のVEI、d/l−α−トコフェロールの質量%及びTVIを決定した後、ASTM規格F−2003(空気中でのγ線照射後の超高分子量ポリエチレンの促進老化に関する標準的技法)によって、薄膜のそれぞれを促進させた。マサチューセッツ州Billericaのブルッカー・オプティクス社製Bruker Optics赤外分光光度計によるFTIR分析に促進老化フィルムを再び供した。上述の方法によって、得られたFTIRチャートを分析して、VEI、d/l−α−トコフェロールの質量%、OI、及びTVIを決定した。FTIR分析を受けさせたら直ぐに、老化フィルムを沸騰ヘキサン中に入れ、そこに24時間保持してd/l−α−トコフェロールを抽出した。d/l−α−トコフェロールの抽出後、赤外分光光度計におけるFTIR分析に老化フィルムを再び供した。次に、得られたFTIRチャートを分析して、上述の方法によってOIを決定した。追加のFTIR分析を行なって、酸化ピークとの干渉からd/l−α−トコフェロールのピークを除いた。下記表11で説明する結果の分析によって、より温かい予熱温度の選択が、より低いOIとなり、また、照射後にUHMWPE中に残っている幾つかのd/l−α−トコフェロールを形成するであろうことが示された。]
[0088] ]
[0089] ]
[0090] ]
[0091] 実施例7
d/l−α−トコフェロールと混合されたUHMWPEの機械特性
バー状に成形され、かつ電子ビームを照射されたUHMWPE粉末と機械的に混合されたd/l−α−トコフェロールの機械特性を調査した。この調査を実行するために、ミネソタ州ミネアポリスのスタット・イーズ社製Design Expert6.0.10ソフトウェアを利用して、実験の改良された一部実施要因計画(DOE)を立てた。DOEでは、5つの異なる値:UHMWPE樹脂種、d/l−α−トコフェロールの質量%、予熱温度、線量率、及び照射線量を評価した。]
[0092] GUR1050及びGUR1020医療グレードのUHMWPE粉末をケンタッキー州フローレンスに北米本社を有するティコナ社から得た。d/l−α−トコフェロールをDSMニュートリショナル・プロダクツ社(オランダ、ヘレーン)から得た。マルチミキシングS.A.社の子会社であるドイツ、オスナブルックのジオスナ社製Diosna P100粉砕機を用いて、低強度混合により、GUR1050及びGUR1020を別々にd/l−α−トコフェロールと機械的に混合した。GUR1050及びGUR1020樹脂の両方を幾つかのバッチ中のd/l−α−トコフェロールと混合して、0.2質量%、0.5質量%、及び1.0質量%のd/l−α−トコフェロールを有する全ての樹脂種のUHMWPE混合物を形成した。混合材料の各バッチを板状に圧力成形して、バー状に切断した。次に、イリノイ州ラウンドレイクのグリーブ社製Grieve対流式オーブン内でバーを予熱することにより、得られたバーのそれぞれを予熱した。下記表12で説明するように、40℃、100℃、110℃及び122.2℃から予熱温度を選択した。]
[0093] 予熱した後、上記表8で説明した方法Cによって、選択した線量率で、選択した全照射線量を与えるまで、UHMWPE混合物バーに電子ビームを照射した。75kGy−m/分、155kGy−m/分、及び240kGy−m/分から線量率を選択して、そして全照射線量を90kGy、120kGy、150kGy、200kGy、及び250kGyから選択した。プラスチックの引張特性に関する標準的試験法である米国材料試験協会(ASTM)規格D638で規定されているように、UHMWPE混合物バーのそれぞれからV型引張試料を機械加工した。次に、ASTM規格D638に従って、V型引張試料を最大抗張破断UTS及びYS試験に供した。また、各UHMWPE混合物バーからアイゾッド試料を機械加工して、そしてプラスチックのアイゾッド振り子型衝撃抵抗を決定するための標準試験法であるASTM規格D256に従って、アイゾッド衝撃力について試験した。また、各UHMWPE混合物バーから動的機械分析(DMA)試料を機械加工して、そしてデラウェア州ニューキャッスルのTAインストゥルメンツ(Instruments)社製DMA2980型動的機械分析機を用いて試験した。]
[0094] 結果の分析によって、全照射線量がUHMWPE混合物のアイゾッド衝撃力、最大抗張破断、及び降伏力に影響を与えたことが示された。さらに、予熱温度が、最大引張強度及び降伏力に影響を与えた。一方で、d/l−α−トコフェロールの質量%は、最大抗張破断及び動的機械分析に影響を与えた。下記表12で試験からの追加の結果を説明する。]
[0095] ]
[0096] 実施例8
d,l−α−トコフェロールと混合されたUHMWPEの磨耗性状
d/l−α−トコフェロールと機械的に混合され、かつ電子ビームを照射されたUHMWPEの磨耗性状を調査した。この調査を実行するために、ミネソタ州ミネアポリスのスタット・イーズ(Stat−Ease)社製Design Expert6.0.10ソフトウェアを利用して、実験の改良された一部実施要因計画(DOE)を立てた。DOEでは、5つの異なる値:予熱温度、線量率、全照射線量、d,l−α−トコフェロール濃度、及び冷却期間、すなわち、予熱の終了から照射に対する初期曝露までの経過時間を評価した。]
[0097] GUR1050医療グレードのUHMWPE粉末をケンタッキー州フローレンスに北米本社を有するティコナ社から得た。d/l−α−トコフェロールをDSMニュートリショナル・プロダクツ社(オランダ、ヘレーン)から得た。イリノイ州ガーニーのアイリッヒ・マシーンズ(Eirich Machines)社製高強度ミキサーを用いて、GUR1050をd/l−α−トコフェロールと機械的に混合した。GUR1050樹脂を幾つかのバッチ中のd/l−α−トコフェロールと混合して、選択された質量%のd/l−α−トコフェロールを有するUHMWPE混合物を形成した。0.14質量%、0.19質量%、及び0.24質量%のd/l−α−トコフェロールからd/l−α−トコフェロールの質量%を選択した。次に各混合物を固化させて、2.5インチ直径及び1インチ厚パックを形成した。次に、イリノイ州ラウンドレイクのグリーブ社製Grieve対流式オーブンでパックを予熱温度に加熱することにより、得られたパックのそれぞれを予熱した。下記表13で説明するように、85℃、100℃、及び115℃から予熱温度を選択した。]
[0098] 予熱後、次に、冷却期間の範囲でUHMWPE混合物パックを対流式オーブンから取り出した。下記表13で説明するように、7分、14分、及び21分から冷却期間を選択した。次に、上記表8で説明した方法Aに従って、選択した線量率で、選択した全照射線量を与えるまで、パックに電子ビームを照射した。30kGy−m/分、52.5kGy−m/分、及び75kGy−m/分から線量率を選択し、そして160kGy、175kGy、及び190kGyから全照射線量を選択した。]
[0099] 次に、UHMWPE混合物パックから、9mm直径及び13mm厚さを有するシリンダー形状のピンオンディスク(Pin−on−disc)(POD)試料を機械加工した。次に、双方向ピンオンディスク磨耗試験機を使用して、100%ウシ血清を適用して円滑にした研磨済みコバルト−クロムディスクに対して接合しているUHMWPEピンの磨耗率を測定した。「the Journal of Althroplasty、 Vol.16, Issue 5, 2001」の第658−65頁(その全開示内容が参照により全体で本明細書に明確に援用される)に公開されている、「A new pin−on−disk wear testing method for simulating wear of Polyethylene on cobalt−chrome alloy in total hip arthroplasty」について、Bragdon,C.R.らの教示に従って、これらの測定値を得た。オハイオ州クリーブランドのパーカー・ハニフィン(Parker Hannifin)社のコンピュータ部門から入手できるコンピュータ制御XYテーブル(これは、縦10mm×横5mmの長方形パターンで動くようにプログラムされていた)によって、ピンオンディスク摩擦試験機のための双方向動作を発生させた。XYテーブル上の添付物は、インプラント品質仕上げまで研磨された6つのコバルト−クロムディスクを含むボールであった。ミネソタ州イーデンプレーリーのMTS社製サーボ水圧MTSマシーン上にXYテーブル及びボールを設置した。次に、MTSマシーンによって、研磨されたコバルト−クロムディスクに対して、UHMWPE混合物ピン試料を充填した。]
[0100] XYテーブルの動作と同調してポール型曲線を提供するように、MTSマシーンをプログラムした。ポール型曲線は、「the Proceedings Institution of Mechanical Engineers」のVol.181, Part 37,page8−15(その全開示内容は参照により全体で本明細書に明確に援用される)に開示されているJ.P.ポール(Paul)による「Forces Transmitted By Joints in the Human Body」に詳細に説明されている。ポール型荷重曲線のピーク負荷は、各UHMWPEピン試料及びコバルト−クロムディスク間の6.5MPaのピーク接触圧力に対応していた。2Hzで全1.128×106回まで試験を行なった。結果の分析によって、磨耗性状は、d/l−α−トコフェロールの濃度及び全照射線量の両方に影響されることが示された。具体的には、結果によって、d/l−α−トコフェロール濃度を増加させるほどUHMWPE混合物の磨耗率が増加したが、全照射線量を増加させるほどUHMWPE混合物の磨耗率が減少したことが示された。さらに、結果によって、線量率及び冷却期間の両方は、実質的にUHMWPEの磨耗率に影響を与えなかったことが示された。]
[0101] ]
[0102] 実施例9
UHMWPE混合物/基板接合部分での温度変化
ケンタッキー州フローレンスに北米本社を有するティコナ社からGUR1050医療グレードのUHMWPE粉末を得た。DSMニュートリショナル・プロダクツ社(オランダ、ヘレーン)からd/l−α−トコフェロールを得た。イリノイ州ガーニーのアイリッヒ・マシーンズ社製高強度ミキサーを用いて、GUR1050をd/l−α−トコフェロールと機械的に混合した。GUR1050樹脂をd/l−α−トコフェロールと混合して、0.2質量%のd/l−α−トコフェロールを有するUHMWPE混合物を形成した。]
[0103] 次に、混合物の一部分をブロック状に圧縮成形した。UHMWPE混合物の別の部分を基板状に圧縮成形して、プレフォームを形成した。基板は、ニアネット状寛骨臼シェルの形態の70mm直径の多孔質金属基板であった。一般にインディアナ州Warsawのジマー社から入手され、かつ上記で説明されているTrabecular METAL(商標)技術を用いて、多孔質金属基板を製造した。このプロセスを繰り返して、5個の異なるプレフォームを形成した。次に、イリノイ州ラウンドレイクのグリーブ社製Grieve対流式オーブン内で、プレフォームを個々に予熱温度へ加熱した。100℃、12O℃、及び125℃から予熱温度を選択した。選択した予熱温度に加熱すると直ぐに、上記表8で説明した方法Bを用いて、全照射線量を受けるまでプレフォームに照射した。50kGy、75kGy、及び150kGyから全照射線量を選択した。さらに、UHMWPEブロックを100℃の予熱温度に加熱して、方法Bを用いて、UHMWPEブロックに150kGyの全照射線量を受けさせるまで照射した。]
[0104] UHMWPE混合物/基板接合部分で、UHMWPE混合物/基板接合部分に隣接するUHMWPE混合物中の部分で、及びUHMWPE混合物の中心部で、プレフォームの温度を測定した。J型熱電対を用いて各温度測定値を得た。さらに、J型熱電対を用いて、UHMWPE混合物ブロックの中心部の温度も測定した。結果に基づくと、多孔質基板の存在がUHMWPE混合物中でのより高い温度測定値をもたらした。これによって、照射中にUHMWPEより高い最大温度に至っている基板になる筈である。]
[0105] 実施例10
UHMWPE混合物における基板方向の影響
ケンタッキー州フローレンスに北米本社を有するティコナ社からGUR1050医療グレードのUHMWPE粉末を得た。DSMニュートリショナル・プロダクツ社(オランダ、ヘレーン)からd/l−α−トコフェロールを得た。イリノイ州ガーニーのアイリッヒ・マシーンズ社製高強度ミキサーを用いて、GUR1050をd/l−α−トコフェロールと機械的に混合した。GUR1050樹脂をd/l−α−トコフェロールと混合して、0.5質量%のd/l−α−トコフェロールを有するUHMWPE混合物を形成した。]
[0106] UHMWPE混合物の一部分を基板状に圧縮成形して、プレフォームを形成した。この基板は、ニアネット状寛骨臼シェルの形態の70mm直径の多孔質金属基板であった。一般にインディアナ州Warsawのジマー社から入手され、かつ上記で説明されているTrabecular METAL(商標)技術を用いて、多孔質金属基板を製造した。このプロセスを繰り返して、3個の異なるプレフォームを形成した。次に、対流式オーブン内で、プレフォームを11O℃の予熱温度に最大12時間加熱した。次に、上記表8で説明したような方法Aを用いて、照射源と向かい合っているプレフォームの1つの基板及び照射源から外側を向いている他のプレフォームの基板を有する2つのプレフォームに照射した。これらの位置のプレフォームによって、それらを第一の100kGy線量の照射に供した。次に、プレフォームを周囲空気中に20分間位置させた。20分の経過後、200kGyの全照射線量に対して、第二の100kGy線量の照射にプレフォームを供した。]
[0107] 上記表8で説明する方法Bを用いて、照射源と向かい合っているプレフォームの基板を有する残留プレフォームに照射した。この部分中のプレフォームによって、プレフォームを第一の100kGy線量の照射に供した。次に、110℃の一定温度を保持している対流式オーブン内にプレフォームを置いた。4時間の経過後、プレフォームを対流式オーブンから取り出して、そして200kGyの全照射線量に対して、第二の100kGy線量の照射に供した。]
[0108] 次に、中心部及び除去された基板を経て各プレフォームを切断した。次に、UHMWPE混合物を微片化して、そしてマサチューセッツ州Billericaのブルッカー・オプティクス社製Bruker赤外分光光度計を用いて、FTIR分析に供して、UHMWPE混合物のTVIを決定した。試料の最も厚い部分でこの分析を実行した。次に、デラウェア州ニューキャッスルのTAインストゥルメンツ社製TA Instruments QlOOOを用いて、UHMWPE混合物の試料をDSCに供して、UHMWPE混合物の結晶化度(%)を決定した。異なる場所から得たUHMWPE混合物の試料ごとにこの分析を繰り返した。]
[0109] 照射源と向かい合っている基板を有する照射されたモノブロックの両方では、基板と接合したUHMWPE混合物の端部に沿って、変色帯(すなわち半透明)が見られた。図16に示したように、FTIR分析によって、UHMWPE混合物と基板の間の接合部分の先にある部分では、UHMWPE混合物のTVIの実質的な低下が示された。さらに、UHMWPE混合物の中心部での結晶化度(%)は、約59%であった。下記表14に示したように、結晶化度(%)は、UHMWPE混合物が基板との接合部分に近づくのに伴って減少し、結晶化度(%)は、UHMWPE混合物/基板接合部分付近の半透明領域では48%に達した。照射源から外側に向いている基板を有する照射されたプレフォームでは、UHMWPE混合物のTVIは、UHMWPE混合物を通して実質的により均一であり、そして結晶化度(%)は、僅かに2.2%差で変化した。これは、基板が照射中に照射源から外側に向いているプレフォーム中で起きている更に均質な架橋の結果であろう。] 図16
[0110] ]
[0111] 実施例11
UHMWPE混合物における照射線量の影響
ミネソタ州ミネアポリスのスタット・イーズ社製Design Expert6.0.10ソフトウェアを利用して、実験の中心複合反応面計画(DOE)をセットアップした。DOEによって、4つの異なる値:d,l−α−トコフェロール濃度、予熱温度、与えられた全照射線量、及び1パス当たりの照射線量を評価した。]
[0112] GUR1050医療グレードのUHMWPE粉末をケンタッキー州フローレンスに北米本社を有するティコナ社から得て、d/l−α−トコフェロールをDSMニュートリショナル・プロダクツ社(オランダ、ヘレーン)から得た。イリノイ州ガーニーのアイリッヒ・マシーンズ社製高強度ミキサーを用いて、GUR1050をd/l−α−トコフェロールと機械的に混合した。幾つかのバッチ中ではGUR1050樹脂をd/l−α−トコフェロールと混合して、選択された質量%のd/l−α−トコフェロールを有するUHMWPE混合物を形成した。0.10質量%、0.20質量%、0.35質量%、0.50質量%、及び0.60質量%のd/l−α−トコフェロールからd/l−α−トコフェロールの質量%を選択した。次に、各混合物を基板状に圧縮成形して、プレフォームを形成した。この基板は、ニアネット状寛骨臼シェルの形態の70mmの外側直径の多孔質金属基板であった。一般にインディアナ州Warsawのジマー社から入手され、かつ上記で説明されているTrabecular METAL(商標)技術を用いて、多孔質金属基板を製造した。]
[0113] 次に、得られたプレフォームを1つの膨張性網状ポリエチレンテレフタレートチューブ内に置いて、そしてアルミニウム金属化プラスチックフィルムポーチ、例えば、金属(例えば、アルミニウムなど)でコーティングされているポリエチレンテレフタレート樹脂(例えば、マイラー(Mylar)(登録商標)など)から形成されているポーチなどの内部に真空包装して、前記フィルムを通るガス拡散率を減らした。マイラーは、デラウェア州ウィルミントンのデュポン・帝人フィルムズ(DuPont Teijin Films)米国合資会社の登録商標である。プレフォームを照射に供するための調製で除去するまで、プレフォームをこの条件で保持した。照射前に、イリノイ州ラウンドレイクのグリーブ社製Grieve対流式オーブン内でプレフォームを加熱することにより、得られたプレフォームのそれぞれを予熱温度に予熱して、最低12時間は保持した。下記表15で説明するように、60℃、70℃、85℃、100℃、及び110℃から予熱温度を選択した。]
[0114] 次に、上記表8で説明したように、方法Bに従って、プレフォームを選択された全照射線量に供した。133kGy、150kGy、175kGy、200kGy、及び217kGyから全照射線量を選択した。さらに、2つの等しいパス又は3つの等しいパスのいずれか(それらを合わせると、全照射線量に達する。)で、全照射線量を分けて、プレフォームに与えた。具体的には、下記表15で「ブロック1」と示されたプレフォームは、2つの等しいパスで全照射線量を受けたが、下記表15で「ブロック2」と示されたプレフォームは、3つの等しいパスで全照射線量を受けた。]
[0115] 照射後、UHMWPE混合物のそれぞれを基板から分離して、次に9mmの直径及び13mmの厚さを有するシリンダー状の3つのピンオンディスク(POD)試料をUHMWPE混合物パックから機械加工した。次に、双方向ピンオンディスク磨耗試験機を使用して、100%ウシ血清を適用して滑らかにした研磨済みコバルト−クロムディスクに対して接合しているUHMWPEピンの磨耗率を測定した。「the Journal of Arthroplasty,Vol.16,Issue 5,2001,pages 658−65」に開示されている「A new pin−on−disk wear testing method for simulating wear of Polyethylene on cobalt−chrome alloy in total hip arthroplasty」(その全開示内容は、参照により全体で本明細書に明確に援用される)について、Bragdon,CR.らの教示に従って、これらの測定値を得た。オハイオ州クリーブランドのパーカー・ハニフィン社のコンピュータ部門から入手できるコンピュータ制御XYテーブル(これは、縦10mm×横5mmの長方形パターンで動くようにプログラムされていた)によって、ピンオンディスク摩擦試験機のための双方向動作を発生させた。XYテーブル上の添付物は、インプラント品質仕上げまで研磨された6つのコバルト−クロムディスクを含むボールであった。ミネソタ州イーデンプレーリーのMTS社製サーボ水圧MTSマシーン上にXYテーブル及びボールを設置した。次に、MTSマシーンによって、研磨されたコバルト−クロムディスクに対して、UHMWPE混合物ピン試料を充填した。]
[0116] XYテーブルの動作と同調してポール型曲線[2]を提供するように、MTSマシーンをプログラムした。ポール型曲線は、「the Proceedings Institution of Mechanical Engineers」のVol.181, Part 37,page8−15(その全開示内容は参照により全体で本明細書に明確に援用される)に開示されているJ.P.ポール(Paul)による「Forces Transmitted By Joints in the Human Body」に詳細に説明されている。ポール型荷重曲線のピーク荷重は、各UHMWPEピン試料及びコバルト−クロムディスク間の6.5MPaのピーク接触圧力に対応していた。2Hzで全1.128×106回まで試験を行なった。]
[0117] UHMWPE混合物の残留部分を半分に切断して、ミクロトームフィルムを形成して、マサチューセッツ州Billericaのブルッカー・オプティクス社製Bruker Optics赤外分光光度計を用いて、FTIR分析に供した。次に、超高分子量ポリエチレンの促進老化のためのASTM規格F−2003、標準的技法に従って、フィルムを促進老化した。次に、老化後フィルムのOIを測定した。]
[0118] 測定値を得たら直ぐに、老化後のフィルムを沸騰ヘキサン中に24時間入れて、フィルム中に残っている任意のd/l−α−トコフェロールを抽出した。次に、UHMWPE混合物フィルムから抽出されたd/l−α−トコフェロールの百分率を決定した。次に、プラスチックの引張特性のための標準的試験法であるASTM規格D638によって規定されているように、モノブロックから残留UHMWPE混合物を1/16インチ平面に機械加工して、その平面からV型引張試料を機械加工した。]
[0119] 結果の分析によって、下記表15で説明するように、d/l−α−トコフェロールの全照射線量がより低下するか、又はその濃度がより高くなるほどに、摩擦は増加することが示された。さらに、d/l−α−トコフェロール濃度は、最大抗張破断に十分な影響を与えた。降伏力は、予熱温度の影響を最も受けた。一方で、UTSは、全照射線量及びd/l−α−トコフェロール濃度の影響を最も受けた。OIは、d/l−α−トコフェロールの予熱温度がより高くなるか、又はその濃度がより高くなるほどに減少した。d/l−α−トコフェロールの割合は、照射及び老化後に減少したが、十分な量のd/l−α−トコフェロールが、照射及び老化後にUHMWPE混合物中に未だに残っていた。]
[0120] ]
[0121] 実施例12
膨潤比、架橋密度、及び架橋間の分子量
GUR1050医療グレードのUHMWPE粉末をケンタッキー州フローレンスに北米本社を有するティコナ社から得た。DSMニュートリショナル・プロダクツ社(オランダ、ヘレーン)からd/l−α−トコフェロールを得た。イリノイ州ガーニーのアイリッヒ・マシーンズ社製高強度ミキサーを用いて、GUR1050をd/l−α−トコフェロールと機械的に混合した。GUR1050樹脂をd/l−α−トコフェロールと混合して、0.2、0.5、又は1.0質量%のd/l−α−トコフェロールを有するUHMWPE混合物を形成した。次に、UHMWPE混合物を圧縮成形してパックを形成し、次にパックを機械加工して、5mm辺を有する立方体を形成した。次に、4O℃、100℃、及び11O℃から選択した予熱温度にUHMWPE立方体を加熱した。選択した予熱温度に加熱したら直ぐに、上記表8で説明する方法Cを用いて、全照射線量を受けるまで、UHMWPE混合物に照射した。90kGy、120kGy、150kGy、及び200kGyから全照射線量を選択した。]
[0122] 次に、ASTMF−2214−02に従って、ケンブリッジ・ポリマー・グループ(Cambridge Polymer Group)(マサチューセッツ州ボストン)社製膨潤比試験機(SRT)によって材料の膨潤比(qs)を測定することにより、得られたUHMWPE混合物立方体を研究して、UHMWPE混合物のポリマー網目パラメータを調査した。qsを知ることによって、フローリ相互作用パラメータ(χ1)、溶媒のモル体積(φ1)、及び溶媒の特定の体積



、材料の架橋密度(υx)及び架橋間の分子量(Mc)を下記式:



に従って計算した。]
[0123] さらに、13O℃での安定化o−キシレン中の膨潤比を圧縮成形方向で測定した。試験の結果を下記表16で説明する。例えば、名目上4O℃に予熱して、その後に名目上200kGyの全線量で電子ビーム架橋した場合の名目上1.0%質量%のd/l−α−トコフェロールを有するUHMWPE混合物が、約4.3未満のqs、約0.090を超えるυx及び約11,142未満のMCを有することが分かった。また、名目上11O℃に予熱して、その後に名目上200kGyの全線量で電子ビーム架橋した場合の名目上1.0質量%のd/l−α−トコフェロールを有するUHMWPE混合物が、約3.6未満のqs、約0.117を超えるυx及び約8,577未満のMcを有することも分かった。]
[0124] また、名目上4O℃に予熱して、その後に名目上200kGyの全線量で電子ビーム架橋した場合の名目上0.5質量%のd/l−α−トコフェロールを有するUHMWPE混合物は、約3.8未満のqs、約0.119を超えるυx及び約8,421未満のMcを有することも分かった。また、名目上110℃に予熱して、その後に名目上200kGyの全線量で電子ビーム架橋した場合の名目上0.5質量%のd/l−α−トコフェロールを有するUHMWPE混合物は、約3.6未満のqs、約0.109を超えるυx及び約9,166未満のMcを有することも分かった。]
[0125] さらに、名目上4O℃に予熱して、その後に名目上200kGyの全線量で電子ビーム架橋した場合の名目上0.2質量%のd/l−α−トコフェロールを有するUHMWPE混合物が、約2.8未満のqs、約0.187を超えるυx及び約5,351未満のMcを有することが分かった。また、名目上110℃に予熱して、その後に名目上200kGyの全線量で電子ビーム架橋した場合の名目上0.2質量%のd/l−α−トコフェロールを有するUHMWPE混合物が、約3.0未満のqs、約0.164を超えるυx及び約6,097未満のMcを有することも分かった。]
[0126] さらに、幾つかの条件下では、架橋UHMWPE混合物が0.200モル/dm3未満の架橋密度を示すことが分かった。他の条件下では、少なくとも0.1質量%の酸化防止剤を有する架橋UHMWPE混合物が、0.190モル/dm3未満の架橋密度を示した。さらに、特定の条件下では、少なくとも0.1質量%の酸化防止剤を有する架橋UHMWPE混合物が、0.200モル/dm3を超える架橋密度を示し、かつ11,200ダルトン未満の架橋間の分子量を有していた。]
[0127] ]
[0128] ]
[0129] 実施例13
d/l−α−トコフェロールと混合されたUHMWPE中のフリーラジカル濃度
電子ビーム照射されたUHMWPE混合物成形パックのフリーラジカル濃度におけるd/l−α−トコフェロールをUHMWPE粉末と機械的に混合する影響を調査した。この調査を行なうために、ミネソタ州ミネアポリスのスタット・イーズ社製Design Expert6.0.10ソフトウェアを利用して、実験の改良された中心複合計画(DOE)をセットアップした。DOEによって、5つの要因:予熱温度、線量率、照射線量、d/l−α−トコフェロール濃度、及び所定の保持時間、すなわち、オーブンからのUHMWPE混合物の取り出しから電子ビーム照射の開始までに経過した時間を評価した。]
[0130] GUR1050医療グレードのUHMWPE粉末をケンタッキー州フローレンスに北米本社を有するティコナ社から得た。d/l−α−トコフェロールをDSMニュートリショナル・プロダクツ社(オランダ、ヘレーン)から得た。イリノイ州ガーニーのアイリッヒ・マシーンズ社製アイリッヒミキサーを用いて高強度混合することにより、GUR1050UHMWPE粉末をd/l−α−トコフェロールと機械的に混合した。下記表17で説明するように、幾つかのバッチ中でGUR1050樹脂をd/l−α−トコフェロールと混合して、0.14〜0.24質量%のd/l−α−トコフェロールを有するUHMWPE混合物を形成した。]
[0131] 次に、UHMWPE混合物のそれぞれを2.5インチ直径及び1インチ厚のパックに圧縮成形した。次に、イリノイ州ラウンドレイクのグリーブ社製Grieve対流式オーブン内で加熱することにより、得られたパックのそれぞれを予熱温度に予熱した。下記表17で説明するように、85℃及び115℃から予熱温度を選択した。次に、対流式オーブンからパックを取り出して、表17で説明するように、7分〜21分の時間範囲の所定の期間に亘って保持した。所定の保持時間の経過後、表8の方法Aを用いて、パックに電子ビームを照射した。表17で説明するように、160kGy〜190kGyから選択された全線量が与えられるまで、30kGy−m/分〜75kGy−m/分から選択された線量率でパックに照射した。パックから約1インチ長のシリンダー状芯を機械加工した。次に、0.01×1015スピン/gの検出限界を有しており、かつマサチューセッツ州Billericaのブルッカー・オプティクス社製であるBrukerEMX/EPR(電子常磁性共鳴)分光計を用いて、シリンダー状芯を分析した。得られた分析によって、予熱温度、d/l−α−トコフェロールの割合(%)、及び線量レベルが、UHMWPE混合物の得られたフリーラジカル濃度を決定する全ての重要な要因であることが示された。具体的には、予熱温度及びd/l−α−トコフェロール濃度は、フリーラジカル濃度と逆相関関係にあった。一方で、全線量は、フリーラジカル濃度と正相関関係にあった。]
[0132] ]
[0133] 実施例14
金属裏張寛骨臼カップの疲労挙動におけるUHMWPEの厚さの影響
金属裏張寛骨臼カップ設計において酸化防止安定化UHMWPE層の厚さを減らす影響を調査した。]
[0134] 試料を調製するために、54mmのシェル寸法及び40mmの頭部寸法を有する、インディアナ州Warsawのジマー社から入手できるTrabecular METAL(商標)技術に従って形成した3つのニュートラル・カップ(Natural Cup)(商標)金属寛骨臼シェルを得た。金属寛骨臼シェルを酸化防止安定化UHMWPEによって圧縮成形して、モノブロック寛骨臼カップを形成した。次に、酸化防止安定化UHMWPEを架橋照射に供することにより、寛骨臼カップの酸化防止安定化UHMWPEを架橋した。次に、酸化防止安定化UHMWPE層により形成された内面又は関節面を40mmの大腿骨頭を受け入れるために機械加工した。次に、全試料を洗浄して、機械加工操作から粒子を除去した。]
[0135] 寛骨臼カップの酸化防止安定化UHMWPE層の厚さは、使用される特定のシェル寸法及び特定の寛骨臼カップ形状にとって好ましい大腿骨頭の寸法に依存する。さらに、酸化防止安定化UHMWPE層の厚さは、UHMWPE層の厚さが測定される場所に依存する。試験結果の比較を促進するために、試験においてそれぞれの寛骨臼カップごとに幾つかの異なる厚さの測定値を得た。具体的には、この実施例のために、「最小厚さ」は、図17に「最小」として示されるように、ナチュラル・カップ(Natural Cup)(商標)金属寛骨臼シェルの赤道で形成されたチタンリングの真下にある金属シェル上の点から、酸化防止安定化UHMWPE層により形成された関節面の半径の接点までを測定した酸化防止安定化UHMWPE層の厚さとして規定される。「壁厚」と呼ばれる第二の測定値は、図17に「壁」として示されるように、この実施例のために、ナチュラル・カップ(商標)金属寛骨臼シェルのチタンリングの内端から、酸化防止安定化UHMWPE層によって形成された関節面の最外点までを測定した酸化防止安定化UHMWPE層の厚さとして規定される。さらに、図17に「極」及び「45」として示されるように、カップの極及びカップの極から45°である点での酸化防止安定化UHMWPE層の厚さもそれぞれ測定した。測定値の結果に基づくと、酸化防止安定化UHMWPE層は、3.66mmの最低厚、1.33mmの壁厚、4.49mmのカップの極での厚さ、及び4.05mmのカップの極から45°である点での厚さを有した。] 図17
[0136] 調製すると直ぐに、3つの寛骨臼カップのそれぞれが60°の傾斜角を有するような場所でカップのそれぞれをポリメチルメタクリレート骨セメントのブロックに入れた。臨床的に意義があるが、臨床的に急勾配である外転角を受容するために、60°の傾斜角を選択した。次に、37±1℃の温度で維持されている脱イオン化湯浴にカップ試料を入れて、ミネソタ州イーデンプレーリーのMTSシステム社製MTS858 Mini Bionix単軸疲労試験機上で単軸荷重を受けさせた。37±1℃の温度は、in vivo環境を代表するものであり、UHMWPEの機械特性の温度依存性のために適切である。]
[0137] コバルト−クロム−モリブデン大腿骨頭部品を用いて、R=0.1の最低/最高応力比を有する繰り返し圧縮力として単軸荷重を掛けた。5百万回の停止点に至るか、又は破砕する(いずれかが最初に起こる)まで、3Hzの周期で試験を行なったところ、第一のカップは1000lbsの力を受け、第二のカップは1350lbsの力を受け、そして第三のカップは1700lbsの力を受けた。試験を終えると直ぐに、酸化防止安定化UHMWPE層及び多孔質金属層に対する損傷について3つの寛骨臼カップのそれぞれを目視で検査した。]
[0138] より厚いUHMWPE層(例えば、少なくとも6mmのUHMWPE層など)で形成された従来の架橋UHWMPE寛骨臼カップと比べて、本調査の寛骨臼カップは試験に全て耐えた。すなわち、5百万回の停止点に達しても、酸化防止安定化UHMWPE層又は多孔質金属層の変形は観察されなかった。一方で、従来の架橋UHMWPE寛骨臼カップ(それは、繊維金属シェルで形成され、かつ酸化防止安定化されていないUHMWPE層及び約6mmの厚さを有する)は、前述の通り、実質的に類似する態様で測定したときに、約1400lbsの疲労強度を有する。したがって、酸化防止安定化UHMWPE層の使用は、本発明の寛骨臼カップが、実質的に従来の寛骨臼カップのUHMWPE層の厚さ未満である厚さを有するUHMWPE層を有することを可能にするだけでなく、その疲労強度の増加も伴う。]
実施例

[0139] 好ましい設計を有するものとして本発明を説明したが、さらに本開示の理念及び範囲内で本発明を改良できる。したがって、本願は、その一般的な原理を用いて、本発明の任意の変化、使用、又は適応を保護するものである。さらに、本願は、本発明が属する技術分野での既知又は通常の実施に含まれ、かつ特許請求の範囲内に入るような本開示からの逸脱を保護するものである。]
权利要求:

請求項1
第一の多孔質材料から形成された実質的に半球形の外層;及びポリアリールエーテルケトンから形成された実質的に半球形の内層を含む整形外科用品であって、前記ポリアリールエーテルケトンが、前記第一の多孔質材料の細孔に少なくとも部分的に浸透することによって、前記ポリアリールエーテルケトンの少なくとも一部分が前記第一の多孔質材料の細孔と相互咬合し、前記第一の多孔質材料及び前記ポリアリールエーテルケトンが協働して、0.1GPa〜15GPaの有効剛性を有する寛骨臼シェルを規定している整形外科用品。
請求項2
前記寛骨臼シェルが0.1GPa〜10GPaの有効剛性を有する、請求項1に記載の整形外科用品。
請求項3
前記寛骨臼シェルが0.3GPa〜1.5GPaの有効剛性を有する、請求項1に記載の整形外科用品。
請求項4
前記第一の多孔質材料が0.1GPa〜15GPaの弾性率を有し、そして前記ポリアリールエーテルケトンが0.1GPa〜15GPaの弾性率を有する、請求項1に記載の整形外科用品。
請求項5
前記第一の多孔質材料が金属である、請求項1に記載の整形外科用品。
請求項6
前記第一の多孔質材料が、化学気相成長により生体適合性金属をコーティングされた網状ガラス質炭素発泡基材である、請求項5に記載の整形外科用品。
請求項7
前記ポリアリールエーテルケトンがポリエーテルエーテルケトンである、請求項1に記載の整形外科用品。
請求項8
ライナー材料から形成された実質的に半球形のライナーをさらに含み、前記ライナーが前記寛骨臼シェル内で受け入れられるように構成されている、請求項1に記載の整形外科用品。
請求項9
前記ライナー材料が超高分子量ポリエチレンを含む、請求項8に記載の整形外科用品。
請求項10
前記実質的に半球形の内層が統合係止機構をさらに含む、請求項1に記載の整形外科用品。
請求項11
前記寛骨臼シェル内で受け入れられるように構成された実質的に半球形のライナーをさらに含み、前記実質的に半球形のライナーが統合係止機構を有し、前記実質的に半球形のライナーの前記統合係止機構が、前記実質的に半球形の内層の前記統合係止機構との係合を係止するように構成されていることによって、前記寛骨臼シェルに対する前記実質的に半球形のライナーの移動が実質的に抑制されている、請求項9に記載の整形外科用品。
請求項12
前記ポリアリールエーテルケトンが、前記第一の多孔質材料として射出成形される、請求項1に記載の整形外科用品。
請求項13
股関節置換術に使用するために構成された寛骨臼部品であって、寛骨臼部品が:寛骨臼部品がインプラントされるときに骨組織と接触して接合するように構成された多孔質層;酸化防止安定化架橋超高分子量ポリエチレンから形成され、6mm未満の厚さを有し、かつ大腿骨部品を受け入れるように構成された内層;及び前記内層の前記酸化防止安定化架橋超高分子量ポリエチレンが前記多孔質層の細孔に浸透する距離によって規定された相互咬合層を含む寛骨臼部品。
請求項14
前記内層が2mmと実質的に等しい厚さを有する、請求項13に記載の寛骨臼部品。
請求項15
前記多孔質層が少なくとも55%の多孔度を有する、請求項13に記載の寛骨臼部品。
請求項16
前記多孔質層が15GPa未満の弾性率を有する多孔質金属により規定されている、請求項13に記載の寛骨臼部品。
請求項17
0.1GPa〜10GPaの有効剛性をさらに含む、請求項13に記載の寛骨臼部品。
請求項18
0.3GPa〜1.5GPaの有効剛性をさらに含む、請求項13に記載の寛骨臼部品。
請求項19
骨中へのインプラントのための整形外科部品の製造方法であって、整形外科用インプラントが骨接触層、相互咬合層、及び内層を有し、該製造方法が:骨の弾性率を決定する工程;骨の弾性率に基づいて、骨接触層、相互咬合層、及び内層の少なくとも1つの厚さを選択する工程;並びに内層を骨接触層に合わせて、選択した厚さを有する骨接触層、相互咬合層、及び内層の少なくとも1つを形成する工程を含む方法。
請求項20
厚さを選択する工程の後に、骨の弾性率に基づいて、骨接触層、相互咬合層、及び内層の少なくとも1つとは別の層の厚さを選択する工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
請求項21
骨接触層が多孔質金属を含む、請求項19に記載の方法。
請求項22
内層がポリマーを含む、請求項19に記載の方法。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
Wauthle et al.2015|Additively manufactured porous tantalum implants
US10433964B2|2019-10-08|Prosthesis with surfaces having different textures and method of making the prosthesis
US20150273751A1|2015-10-01|Bioactive composites of polymer and glass and method for making same
US9242025B2|2016-01-26|Oxidation-resistant and wear-resistant polyethylenes for human joint replacements and methods for making them
CN103037809B|2016-11-16|植入物部件和方法
McKellop et al.1999|Wear of gamma-crosslinked polyethylene acetabular cups against roughened femoral balls
Hatton et al.2002|Alumina–alumina artificial hip joints. Part I: a histological analysis and characterisation of wear debris by laser capture microdissection of tissues retrieved at revision
Anderson et al.2004|The Bryan Cervical Disc: wear properties and early clinical results
Edidin et al.1999|Plasticity-induced damage layer is a precursor to wear in radiation-cross-linked UHMWPE acetabular components for total hip replacement
Oral et al.2011|Vitamin E diffused, highly crosslinked UHMWPE: a review
US7288115B2|2007-10-30|Multipart component for an orthopaedic implant
Roe et al.1981|Effect of radiation sterilization and aging on ultrahigh molecular weight polyethylene
JP4689464B2|2011-05-25|整形外科用ベアリングおよびその製造方法
US6602293B1|2003-08-05|Polymeric composite orthopedic implant
Lewis2001|Properties of crosslinked ultra-high-molecular-weight polyethylene
JP4290433B2|2009-07-08|整形外科用の人工器官の移植可能なベアリングの製造方法、整形外科用の人工器官、および人工器官の移植可能なベアリング
McKellop et al.1999|Development of an extremely wear‐resistant ultra high molecular weight polythylene for total hip replacements
ES2347963T3|2010-11-26|Dispositivo ortopedico implantable.
EP1369135B1|2005-03-23|Sequentially cross-linked polyethylene for medical implants
Muratoglu et al.2001|Larger diameter femoral heads used in conjunction with a highly cross-linked ultra–high molecular weight polyethylene: a new concept
Bourell et al.2010|Fused deposition modeling of patient‐specific polymethylmethacrylate implants
Edidin et al.2000|Influence of mechanical behavior on the wear of 4 clinically relevant polymeric biomaterials in a hip simulator
Kurtz et al.1999|Advances in the processing, sterilization, and crosslinking of ultra-high molecular weight polyethylene for total joint arthroplasty
Tipper et al.2006|Isolation and characterization of UHMWPE wear particles down to ten nanometers in size from in vitro hip and knee joint simulators
US10617511B2|2020-04-14|Porous implant materials and related methods
同族专利:
公开号 | 公开日
AU2009209158A1|2009-08-06|
WO2009097412A3|2010-05-14|
US9718241B2|2017-08-01|
JP5571580B2|2014-08-13|
CA2712559C|2015-03-31|
US8652212B2|2014-02-18|
US20090192610A1|2009-07-30|
WO2009097412A2|2009-08-06|
US20140131925A1|2014-05-15|
CA2712559A1|2009-08-06|
AU2009209158B2|2013-09-19|
EP2249887A2|2010-11-17|
EP2249887B1|2017-06-21|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
JPH07255832A|1992-03-11|1995-10-09|Ultramet Inc|海綿骨移植片ならびに細胞および組織受容体のための連続気泡型タンタル構造物|
JPH08252273A|1995-02-14|1996-10-01|Bristol Myers Squibb Co|寛骨臼窩補綴物|
JP2004503300A|2000-06-10|2004-02-05|サイメディカ リミテッド|多孔質及び/又は多結晶質ケイ素の整形用インプラント|
JP2004167256A|2002-11-19|2004-06-17|Zimmer Technology Inc|補綴装置及びその製造方法|
US20070219641A1|2006-03-20|2007-09-20|Zimmer Technology, Inc.|Prosthetic hip implants|JP2013507184A|2009-10-07|2013-03-04|バイオ2テクノロジーズ,インク.|生体組織エンジニアリングのためのデバイスおよび方法|
JP2014008156A|2012-06-28|2014-01-20|Kyocera Medical Corp|人工関節用コンポーネント|
JP2014104175A|2012-11-28|2014-06-09|Kyocera Medical Corp|複合成形体、複合成形体の製造方法、および該複合成形体を備える人工関節|CS221403B1|1981-12-23|1983-04-29|Bretislav Dolezel|Způsob zdravotně nezávadné stabilizace polyolefinů proti termooxidační a fotooxidační degradaci|
CS221405B1|1981-12-23|1983-04-29|Ludmila Adamirova|Způsob zdravotně nezávadné stabilizace polyolefinů proti degradaci ionizujícím zářením|
EP0371059A1|1986-01-14|1990-06-06|Raychem Corporation|Conductive polymer composition|
US5414049A|1993-06-01|1995-05-09|Howmedica Inc.|Non-oxidizing polymeric medical implant|
EP0714460A4|1993-08-20|1998-01-07|Smith & Nephew Richards Inc|Self-reinforced ultra-high molecular weight polyethylene composites|
US20050125074A1|1995-01-20|2005-06-09|Ronald Salovey|Crosslinking of polyethylene for low wear using radiation and thermal treatments|
CA2166450C|1995-01-20|2008-03-25|Ronald Salovey|Chemically crosslinked ultrahigh molecular weight polyethylene for artificial human joints|
US5577368A|1995-04-03|1996-11-26|Johnson & Johnson Professional, Inc.|Method for improving wear resistance of polymeric bioimplantable components|
US6087559A|1995-06-07|2000-07-11|Pioneer Hi-Bred International, Inc.|Plant cells and plants transformed with Streptococcus mutans genes encoding wild-type or mutant glucosyltransferase B enzymes|
DE69623308T2|1995-10-18|2002-12-19|Chisso Corp|Olefinpolymerzusammensetzung, verfahren zu dessen herstellung, katalysator for olefinpolymerisation und verfahren zu dessen herstellung|
CN1155628C|1995-12-01|2004-06-30|智索股份有限公司|树脂制品|
US20020156536A1|1996-02-13|2002-10-24|Harris William H.|Polyethylene hip joint prosthesis with extended range of motion|
US8563623B2|1996-02-13|2013-10-22|The General Hospital Corporation|Radiation melt treated ultra high molecular weight polyethylene prosthetic devices|
US5879400A|1996-02-13|1999-03-09|Massachusetts Institute Of Technology|Melt-irradiated ultra high molecular weight polyethylene prosthetic devices|
PL189246B1|1996-02-13|2005-07-29|Gen Hospital Corp|Method for obtaining cross-linked polyethylene with ultra-high molecular weight, medical prosthesis for use inside the body and the use of radiation-treated ultra-high molecular weight polyethylene|
US8865788B2|1996-02-13|2014-10-21|The General Hospital Corporation|Radiation and melt treated ultra high molecular weight polyethylene prosthetic devices|
US5753182A|1996-02-14|1998-05-19|Biomet, Inc.|Method for reducing the number of free radicals present in ultrahigh molecular weight polyethylene orthopedic components|
US5721334A|1996-02-16|1998-02-24|Newyork Society For The Ruptured And Crippled Maintaining The Hospital For Special Surgery|Process for producing ultra-high molecular weight low modulus polyethylene shaped articles via controlled pressure and temperature and compositions and articles produced therefrom|
US6087553A|1996-02-26|2000-07-11|Implex Corporation|Implantable metallic open-celled lattice/polyethylene composite material and devices|
US6228900B1|1996-07-09|2001-05-08|The Orthopaedic Hospital And University Of Southern California|Crosslinking of polyethylene for low wear using radiation and thermal treatments|
DE69737325T2|1996-07-09|2007-11-22|Orthopaedic Hospital, Los Angeles|Vernetzung von polyethylen zur verringerung der abnutzung unter anwendung von strahlung und thermischer behandlung|
GB9617671D0|1996-08-23|1996-10-02|Microbiological Res Authority|Recombinant toxin fragments|
US5827904A|1996-09-27|1998-10-27|Hahn; David|Medical implant composition|
US6017975A|1996-10-02|2000-01-25|Saum; Kenneth Ashley|Process for medical implant of cross-linked ultrahigh molecular weight polyethylene having improved balance of wear properties and oxidation resistance|
WO1998044042A1|1997-04-02|1998-10-08|Chisso Corporation|Modified olefin polymer composition, process for preparing the same, and modified olefin polymer composition molding|
US6692679B1|1998-06-10|2004-02-17|Depuy Orthopaedics, Inc.|Cross-linked molded plastic bearings|
EP0995449A1|1998-10-21|2000-04-26|Sulzer Orthopädie AG|UHMW-Polyethylen für Implantate|
SE9900519D0|1999-02-17|1999-02-17|Lars Lidgren|A method for the preparation of UHMWPE doped with an antioxidant and an implant made thereof|
DE60037768T2|1999-05-27|2009-01-15|Pharmacia Corp.|Biomaterialien, modifiziert mit Superoxid-Dismutase Imitatoren|
US6627141B2|1999-06-08|2003-09-30|Depuy Orthopaedics, Inc.|Method for molding a cross-linked preform|
US6245276B1|1999-06-08|2001-06-12|Depuy Orthopaedics, Inc.|Method for molding a cross-linked preform|
US6432349B1|1999-06-29|2002-08-13|Zimmer, Inc.|Process of making an articulating bearing surface|
US6184265B1|1999-07-29|2001-02-06|Depuy Orthopaedics, Inc.|Low temperature pressure stabilization of implant component|
US6620198B2|1999-10-07|2003-09-16|Exactech, Inc.|Composite bearing inserts for total knee joints|
US6664317B2|2000-02-18|2003-12-16|Ciba Specialty Chemicals Corporation|Stabilized gamma irradiated polyolefins|
DK1276436T3|2000-04-27|2009-04-06|Orthopaedic Hospital|Oxidationsbestandige og slidbestandige polyethylener til humane lederstatninger og fremgangsmåder til fremstilling af dem|
US6503439B1|2000-06-15|2003-01-07|Albert H. Burstein|Process for forming shaped articles of ultra high molecular weight polyethylene suitable for use as a prosthetic device or a component thereof|
US6558794B1|2000-06-26|2003-05-06|Technology Assessment & Transfer, Inc.|Ceramic particulate reinforced orthopedic implants|
US6818172B2|2000-09-29|2004-11-16|Depuy Products, Inc.|Oriented, cross-linked UHMWPE molding for orthopaedic applications|
WO2002048259A2|2000-12-12|2002-06-20|Massachusetts General Hospital|Selective, controlled manipulation of polymers|
US6547828B2|2001-02-23|2003-04-15|Smith & Nephew, Inc.|Cross-linked ultra-high molecular weight polyethylene for medical implant use|
US8524884B2|2001-10-30|2013-09-03|Colorado State University Research Foundation|Outer layer material having entanglement of hydrophobic polymer hostblended with a maleated hydrophobic polymer co-host, and hydrophilic polymer guest|
WO2003049930A1|2001-12-12|2003-06-19|Depuy Products, Inc.|Orthopaedic device and method for making same|
JP2005514496A|2002-01-04|2005-05-19|マサチューセッツ、ゼネラル、ホスピタルMassachusettsGeneralHospital|溶融体を下回る温度で調製した残留フリーラジカルが減少した高弾性率架橋ポリエチレン|
AU2003262390A1|2002-04-19|2003-11-03|Gammatron Ltd|Method of increasing the hydrostatic stress strength of a polymer|
US20050146070A1|2002-06-21|2005-07-07|Massachusetts General Hospital|Meta lback or mesh crosslinking|
EP1525258A2|2002-07-18|2005-04-27|Exxonmobil Chemical Patents Inc.|Ultraviolet radiation stabilized polyolefins|
US8337968B2|2002-09-11|2012-12-25|Boston Scientific Scimed, Inc.|Radiation sterilized medical devices comprising radiation sensitive polymers|
EP1596755B1|2003-01-16|2016-10-12|Massachusetts General Hospital|Methods for making oxidation resistant polymeric material|
US6933026B2|2003-02-06|2005-08-23|Aradgim Corporation|Method to reduce damage caused by irradiation of halogenated polymers|
US6853772B2|2003-05-13|2005-02-08|3M Innovative Properties Company|Fiber grating writing interferometer with continuous wavelength tuning and chirp capability|
AT412969B|2003-05-19|2005-09-26|Klaus Dr Lederer|Vernetztes, ultra-hochmolekulares polyethylen |
US7214764B2|2003-06-30|2007-05-08|Depuy Products, Inc.|Free radical quench process for irradiated ultrahigh molecular weight polyethylene|
US20040265165A1|2003-06-30|2004-12-30|Depuy Products, Inc.|Free radical quench process for irradiated ultrahigh molecular weight polyethylene|
US7205051B2|2003-09-30|2007-04-17|Depuy Products, Inc.|Medical implant or medical implant part|
AU2005209868B8|2004-02-03|2010-06-03|The General Hospital Corporation Dba Massachusetts General Hospital|Highly crystalline cross-linked oxidation-resistant polyethylene|
EP1750614B1|2004-05-11|2017-09-27|The General Hospital Corporation|Methods for making oxidation resistant polymeric material|
US7384430B2|2004-06-30|2008-06-10|Depuy Products, Inc.|Low crystalline polymeric material for orthopaedic implants and an associated method|
US7344672B2|2004-10-07|2008-03-18|Biomet Manufacturing Corp.|Solid state deformation processing of crosslinked high molecular weight polymeric materials|
US7235592B2|2004-10-12|2007-06-26|Zimmer Gmbh|PVA hydrogel|
GB0422666D0|2004-10-12|2004-11-10|Benoist Girard Sas|Prosthetic acetabular cups|
US7335697B2|2004-12-23|2008-02-26|Depuy Products, Inc.|Polymer composition comprising cross-linked polyethylene and methods for making the same|
US7435372B2|2005-03-31|2008-10-14|Zimmer, Inc.|Liquid bath annealing of polymers for orthopaedic implants|
AU2006247099A1|2005-05-18|2006-11-23|The General Hospital Corporation Dba Massachusetts General Hospital|Hydrogels and hydrogel particles|
ES2441608T3|2005-08-18|2014-02-05|Zimmer Gmbh|Artículos de polietileno de peso molecular ultra-alto y métodos para formar artículos de polietileno de peso molecular ulra-alto|
CA2619869A1|2005-08-22|2007-03-01|The General Hospital Corporation Dba Massachusetts General Hospital|Highly cross-linked and wear-resistant polyethylene prepared below the melt|
US8461225B2|2005-08-22|2013-06-11|The General Hospital Corporation|Oxidation resistant homogenized polymeric material|
EP2441780A1|2005-08-22|2012-04-18|The General Hospital Corporation d/b/a Massachusetts General Hospital|Highly Crystalline Polyethylene|
US20070077268A1|2005-09-30|2007-04-05|Depuy Products, Inc.|Hydrophobic carrier modified implants for beneficial agent delivery|
EP1966293A1|2005-10-27|2008-09-10|Polnox Corporation|Stabilized polyolefin compositions|
US7615075B2|2005-11-04|2009-11-10|Rush University Medical Center|Plastic implant impregnated with a degradation protector|
WO2007056561A2|2005-11-09|2007-05-18|Liquidia Technologies, Inc.|Medical device, materials, and methods|
US7635725B2|2006-02-21|2009-12-22|The Brigham And Women's Hospital, Inc.|Crosslinked polymers|
US20070232762A1|2006-03-31|2007-10-04|Depuy Products, Inc.|Bearing material of medical implant having reduced wear rate and method for reducing wear rate|
US20070239283A1|2006-04-11|2007-10-11|Berger Richard A|Acetabular cup conversion ring|
AU2007267550A1|2006-05-25|2007-12-06|The General Hospital Corporation|Anti-cross-linking agents and methods for inhibiting cross-linking of injectable hydrogel formulations|
ITMI20061375A1|2006-07-14|2008-01-15|Fabio Conteduca|Maeriale protesico sintetico a ridotta ossidabilita' e relativo processo di preparazione|
JP4902455B2|2006-08-01|2012-03-21|東レ東燃機能膜合同会社|ポリオレフィン多層微多孔膜、その製造方法、電池用セパレータ及び電池|
ES2350708T3|2006-08-25|2011-01-26|Depuy Products, Inc.|Material de soporte de implante médico.|
WO2008052574A1|2006-10-30|2008-05-08|Plus Orthopedics Ag|Processes comprising crosslinking polyethylene or using crosslinked polyethylene|
US7966043B2|2006-12-09|2011-06-21|Cisco Technology, Inc.|Method for creating multiple-input-multiple-output channel with beamforming using signals transmitted from single transmit antenna|
EP2464195A1|2007-01-25|2012-06-13|The General Hospital Corporation|Methods for making oxidation-resistant cross-linked polymeric materials|
WO2008101134A1|2007-02-14|2008-08-21|Brigham And Women's Hospital, Inc.|Crosslinked polymers and methods of making the same|
AU2008222967B2|2007-03-02|2012-12-13|Cambridge Polymer Group, Inc.|Cross-linking of antioxidant-containing polymers|
CA2681475A1|2007-03-20|2008-09-25|Smith & Nephew Orthopaedics Ag|Oxidation resistant highly-crosslinked uhmwpe|
US8664290B2|2007-04-10|2014-03-04|Zimmer, Inc.|Antioxidant stabilized crosslinked ultra-high molecular weight polyethylene for medical device applications|
CA2678459C|2007-04-10|2016-05-24|Zimmer, Inc.|An antioxidant stabilized crosslinked ultra-high molecular weight polyethylene for medical device applications|
US8641959B2|2007-07-27|2014-02-04|Biomet Manufacturing, Llc|Antioxidant doping of crosslinked polymers to form non-eluting bearing components|
EP2197503A2|2007-09-04|2010-06-23|Smith & Nephew Orthopaedics AG|Ultra high molecular weight polyethylene for bearing surfaces|
US20100292374A1|2007-10-05|2010-11-18|Anuj Bellare|Crosslinked polymers and methods of making the same|
WO2009083981A1|2007-12-31|2009-07-09|Bklk Ltd.|A method and a system for rapid awareness, recognition, and response to digital messages|
AU2009209158B2|2008-01-30|2013-09-19|Zimmer, Inc.|Orthopedic component of low stiffness|
US7806064B2|2008-03-12|2010-10-05|Wellman John G|Friction reducing pollution control system for marine vehicles|
WO2010057644A1|2008-11-20|2010-05-27|Zimmer Gmbh|Polyethylene materials|
CA2760538A1|2009-05-04|2010-11-11|Smith & Nephew, Inc.|Synergistic effects of blending multiple additives in uhmwpe|
US8399535B2|2010-06-10|2013-03-19|Zimmer, Inc.|Polymer [[s]] compositions including an antioxidant|
JP5735443B2|2012-03-06|2015-06-17|ジンマー ゲーエムベーハー|超高分子量ポリエチレン物品および超高分子量ポリエチレン物品を形成する方法|US6558426B1|2000-11-28|2003-05-06|Medidea, Llc|Multiple-cam, posterior-stabilized knee prosthesis|
ES2441608T3|2005-08-18|2014-02-05|Zimmer Gmbh|Artículos de polietileno de peso molecular ultra-alto y métodos para formar artículos de polietileno de peso molecular ulra-alto|
NL1032851C2|2006-11-10|2008-05-14|Fondel Finance B V|Kit en werkwijze voor het fixeren van een prothese of deel daarvan en/of het vullen van benige defecten.|
US9023046B2|2007-02-23|2015-05-05|Zimmer Gmbh|Implant for fracture treatment|
US8664290B2|2007-04-10|2014-03-04|Zimmer, Inc.|Antioxidant stabilized crosslinked ultra-high molecular weight polyethylene for medical device applications|
CA2678459C|2007-04-10|2016-05-24|Zimmer, Inc.|An antioxidant stabilized crosslinked ultra-high molecular weight polyethylene for medical device applications|
US8066770B2|2007-05-31|2011-11-29|Depuy Products, Inc.|Sintered coatings for implantable prostheses|
US9204967B2|2007-09-28|2015-12-08|Depuy |Fixed-bearing knee prosthesis having interchangeable components|
US20110035017A1|2007-09-25|2011-02-10|Depuy Products, Inc.|Prosthesis with cut-off pegs and surgical method|
US8632600B2|2007-09-25|2014-01-21|Depuy |Prosthesis with modular extensions|
US20110035018A1|2007-09-25|2011-02-10|Depuy Products, Inc.|Prosthesis with composite component|
ES2406366T3|2009-10-30|2013-06-06|Depuy Products, Inc.|Prótesis con componente compuesto|
US8128703B2|2007-09-28|2012-03-06|Depuy Products, Inc.|Fixed-bearing knee prosthesis having interchangeable components|
US8715359B2|2009-10-30|2014-05-06|Depuy |Prosthesis for cemented fixation and method for making the prosthesis|
AU2009209158B2|2008-01-30|2013-09-19|Zimmer, Inc.|Orthopedic component of low stiffness|
GB0809721D0|2008-05-28|2008-07-02|Univ Bath|Improvements in or relating to joints and/or implants|
US8828086B2|2008-06-30|2014-09-09|Depuy |Orthopaedic femoral component having controlled condylar curvature|
US8236061B2|2008-06-30|2012-08-07|Depuy Products, Inc.|Orthopaedic knee prosthesis having controlled condylar curvature|
US9168145B2|2008-06-30|2015-10-27|Depuy |Posterior stabilized orthopaedic knee prosthesis having controlled condylar curvature|
US9119723B2|2008-06-30|2015-09-01|Depuy |Posterior stabilized orthopaedic prosthesis assembly|
US8192498B2|2008-06-30|2012-06-05|Depuy Products, Inc.|Posterior cructiate-retaining orthopaedic knee prosthesis having controlled condylar curvature|
US8187335B2|2008-06-30|2012-05-29|Depuy Products, Inc.|Posterior stabilized orthopaedic knee prosthesis having controlled condylar curvature|
US8206451B2|2008-06-30|2012-06-26|Depuy Products, Inc.|Posterior stabilized orthopaedic prosthesis|
GB2463066A|2008-09-01|2010-03-03|Biomet Uk Ltd|A prosthetic bearing component|
WO2010057644A1|2008-11-20|2010-05-27|Zimmer Gmbh|Polyethylene materials|
US8123815B2|2008-11-24|2012-02-28|Biomet Manufacturing Corp.|Multiple bearing acetabular prosthesis|
DE102009001145A1|2009-02-25|2010-09-09|Leibniz-Institut Für Polymerforschung Dresden E.V.|Verfahren zur Aushärtung und Oberflächenfunktionalisierung von Formteilen|
JP4806717B2|2009-06-25|2011-11-02|株式会社沖データ|画像処理システム|
US20100331981A1|2009-06-30|2010-12-30|Zimmer, Inc.|Screw thread placement in a porous medical device|
US8308810B2|2009-07-14|2012-11-13|Biomet Manufacturing Corp.|Multiple bearing acetabular prosthesis|
GB0922339D0|2009-12-21|2010-02-03|Mcminn Derek J W|Acetabular cup prothesis and introducer thereof|
US9011547B2|2010-01-21|2015-04-21|Depuy |Knee prosthesis system|
GB201001830D0|2010-02-04|2010-03-24|Finsbury Dev Ltd|Prosthesis|
US20110202140A1|2010-02-12|2011-08-18|University Of Washington|Load bearing implants with engineered gradient stiffness and associated systems and methods|
IT1398443B1|2010-02-26|2013-02-22|Lima Lto S P A Ora Limacorporate Spa|Elemento protesico integrato|
US9707735B2|2010-03-26|2017-07-18|Masco Bath Corporation|Layered sandwich structure|
GB201007166D0|2010-04-29|2010-06-09|Finsbury Dev Ltd|Prosthesis|
US8399535B2|2010-06-10|2013-03-19|Zimmer, Inc.|Polymer [[s]] compositions including an antioxidant|
FR2961387B1|2010-06-17|2013-06-07|Thomas Gradel|Cotyle ceramique a fixation externe|
AU2011314157A1|2010-09-29|2013-05-09|Zimmer, Inc.|Pyrolytic carbon implants with porous fixation component and methods of making the same|
US9248020B2|2010-11-17|2016-02-02|Zimmer, Inc.|Ceramic monoblock implants with osseointegration fixation surfaces|
EP2465549A1|2010-11-17|2012-06-20|Zimmer GmbH|Porous metal structures made from polymer preforms|
US9034048B2|2011-01-26|2015-05-19|John A. Choren|Orthopaedic implants and methods of forming implant structures|
CN103732185B|2011-06-15|2016-04-06|德里克·詹姆斯·华莱士·麦克明|形成聚合物部件的方法|
GB201118937D0|2011-11-02|2011-12-14|Finsbury Dev Ltd|Prothesis|
US8771366B2|2012-03-30|2014-07-08|DePuy Synthes Products, LLC|Mobile bearing hip assembly having decoupled motion along multiple axes|
US8858645B2|2012-06-21|2014-10-14|DePuy Synthes Products, LLC|Constrained mobile bearing hip assembly|
US9427319B2|2012-08-27|2016-08-30|Robert R. Gray|Vascularized porous metal orthopaedic implant devices|
SG11201507767XA|2013-03-21|2015-10-29|Conformis Inc|Systems, methods, and devices related to patient-adapted hip joint implants|
EP3052562B1|2013-10-01|2017-11-08|Zimmer, Inc.|Polymer compositions comprising one or more protected antioxidants|
AU2015229947A1|2014-03-12|2016-10-27|Zimmer, Inc.|Melt-stabilized ultra high molecular weight polyethylene and method of making the same|
CN107207741A|2014-12-03|2017-09-26|捷迈有限公司|注入抗氧剂的超高分子量聚乙烯|
US10383710B2|2015-02-10|2019-08-20|Zimmer, Inc.|Configurations for the connection of dental restorations with abutments|
US20160256279A1|2015-03-02|2016-09-08|Union College|Patient-Specific Implant for Bone Defects and Methods for Designing and Fabricating Such Implants|
CN105030380A|2015-05-15|2015-11-11|江苏奥康尼医疗科技发展有限公司|一种复合式人工髋关节臼杯|
CN105030381A|2015-07-03|2015-11-11|江苏奥康尼医疗科技发展有限公司|一种人工髋关节臼杯|
CN105078617A|2015-08-04|2015-11-25|江苏奥康尼医疗科技发展有限公司|一种人工髋关节臼杯|
CA3000872A1|2015-10-08|2017-04-13|Zimmer Knee Creations, Inc.|Curable calcium phosphate compositions for use with porous structures and methods of using the same|
法律状态:
2012-01-20| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120119 |
2013-03-28| A977| Report on retrieval|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130328 |
2013-04-03| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130402 |
2013-07-03| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130702 |
2014-01-08| A02| Decision of refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140107 |
2014-05-02| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140501 |
2014-05-13| A911| Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20140512 |
2014-05-20| TRDD| Decision of grant or rejection written|
2014-05-28| A01| Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140527 |
2014-07-03| A61| First payment of annual fees (during grant procedure)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140626 |
2014-07-04| R150| Certificate of patent or registration of utility model|Ref document number: 5571580 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
2017-07-04| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
2018-07-03| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
2019-07-02| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
2020-06-23| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
2021-06-28| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
[返回顶部]